これからの医療を考える「糖鎖」とは?②

糖鎖とは何なのか? その働きが人の健康にとってとても重要であり、未来の医療を変えるかもしれないほど重要であることは、「これからの医療を変える「糖鎖」とは①」でもお伝えいたしましたね。今回は、では糖鎖の働きをよくするためにはどうすればいいのかを見てみたいと思います。

単純に考えれば、糖鎖に栄養を与えれば、糖鎖の働きはよくなるはずです。じゃあ、糖鎖にどんな栄養を与えればいいのかを考えると、そもそも糖鎖が何によって出来ているのかという話にいきつきます。

糖鎖は何によって出来ているのか。その答えは、一言でいえば、8つの糖質栄養素(単糖類)の複雑な組み合わせで出来ているといえます。

羅列して見ると、

●グルコース(Glc)

●ガラクトース(Gal)

●マンノース(Man)

●フコース(Fuc)

●キシロース(Xy)

●N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)

●N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)

●N-アセチルノイラミン酸(NANA)

の8つですね。

やたらトースとかミンとかついていて覚えられませんね。

この8つのうちのグルコース(ブドウ糖)は炭水化物などから、ガラクトース(乳糖)は乳製品などから充分に摂ることが出来ます。しかし残りの6つは、ほとんど食品からは摂ることが出来ません。これらはもともと肝臓で作られるものなんですね。

そうなってくると、ストレスや病気などで肝臓がちゃんと働かなくなってしまうと、残りの6つの糖質栄養素(単糖類)がなかなか作られないようになってしまい、糖鎖の働きも悪くなって、体全体がおかしくなってしまいます。肝臓が人間の体作りにいかに大切な臓器かということを思い知らされる話ですね。

ちなみに食品などからほとんど摂ることが出来ない6つの糖質栄養素(単糖類)ですが、そのうちキシロース(Xy)以外の5つの糖質栄養素(単糖類)を摂れる優れた食物があります。それは「ツバメの巣」です。

高級食材として有名なものですが、高級なのには、珍しさだけでなく、栄養的にも理由があったんですね。y