【微弱陣痛とは?】
臨月になり出産予定日が近くなると、通常は陣痛が始まってからどんどん痛みが強くなり、陣痛の間隔も短くなって本陣痛になります。微弱陣痛とは、一旦分娩開始した(陣痛の間隔が10分以内ごとであり、痛みを伴う子宮収縮により分娩が進行)にも関わらず、陣痛の強さが弱い上に発作の持続が短く、かつ陣痛の間隔が長くなってしまい、分娩が進行しない状態をいいます。
微弱陣痛には二つのタイプがあり、陣痛が始まった時から弱い陣痛が続く「原発性微弱陣痛」と、何か別の原因があって陣痛が弱まる波がある「続発性微弱陣痛」があります。
【原因】
《原発性微弱陣痛》
・子宮奇形、子宮筋腫、羊水過少症、子宮発育症など、子宮筋の変化でうまく収縮できない。
・狭骨盤、骨盤位など、胎児の先進部がうまく子宮の出口を圧迫できない。
・子宮内感染
・恐怖、精神的不安
《続発性微弱陣痛》
・狭骨盤、軟産道強靭、骨盤内腫瘍など、産道の異常
・巨大胎児
・胎位異常
・膀胱や直腸の充満
・早期麻酔
・疲労
【前駆陣痛・本陣痛との違い】
陣痛には、微弱陣痛のほかに「前駆陣痛」と「本陣痛」があります。
《前駆陣痛との違い》
前駆陣痛は、陣痛の痛みが不規則です。さらに痛みだけでなく、圧迫感があったり、おなかの針を感じたりすることがあります。微弱陣痛と違って、前駆陣痛は出産予定日より前から徐々に感じられ、出産までには期間が空くことが多いです。
《本陣痛との違い》
本陣痛は、微弱陣痛の痛みとは明らかに違う強い痛みを感じるものです。身動きが取れないほどの痛みが数分ごとに起き、徐々に短くなっていきます。
【治療】
微弱陣痛の場合は、分娩に遅れが出てしまい、母体が疲労し、胎児も疲労して心拍が下がることがあります。したがって「分娩の時期」と「原因」にあった方法で対処します。
分娩が停止してしまい、経腟分娩が可能な状態であれば、鉗子分娩や吸引分娩を行う場合があります。
《ICD分類》
原発性微弱陣痛 ⇒ O62.0
続発性微弱陣痛 ⇒ O62.1
微弱陣痛NOS ⇒ O62.2