【C型ウイルス性肝炎とは?】
B型肝炎と同様、血液や体液を介して感染しますが、C型肝炎ウイルスの感染力は弱く、濃厚で頻繁な接触がなければ夫婦間でもあまり感染しません。
しかし一旦感染すると無症状のまま体内でウイルスが生き続け、無症候性キャリアになります。
そのうちに慢性肝炎になる場合が多く、その後に高い確率で肝硬変や肝がんに移行します。集団検診でC抗原を調べるのは難しいので、C抗体を調べます。
これが陽性であるならば、無症候性キャリアであるか慢性肝炎であるかを確かめる必要があります。
【C型肝炎ウイルス検査】
《HCV抗体の検出》
陰性:現在、C型肝炎ウイルスに感染していない可能性が高い。
陽性:現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高い。⇒ HCV抗体検査
《HCV抗体検査》
高力価:現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高い。
中・低力価:⇒ HCV核酸増幅検査
陰性:現在、C型肝炎ウイルスに感染してない可能性が高い。
《HCV核酸増幅検査》
陽性:現在、C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高い。
陰性:現在、C型肝炎ウイルスに感染していない可能性が高い。
【C型肝炎の病気の分類(F分類)】
F0-1:10年間での推定発がん率 5%未満
F2:10年間での推定発がん率 10%
F3:10年間での推定発がん率 30%
F4(肝硬変):10年間での推定発がん率 70%
【ALT値】
30以下、血小板数15万以上:経過観察
30以下、血小板数15万以下:可能なら肝生検。F2以上ならインターフェロン療法を検討
31~40、血小板数15万以上:65歳以下ならインターフェロン療法の適応
41以上:慢性肝炎としての治療が必要
【AST、ALTによる急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変・肝がんの分類】
AST、ALTがともに高度の高値 ⇒ 急性肝炎
AST<ALT ⇒ 慢性肝炎(AST/ALT比0.6前後)
AST>ALT ⇒ 肝硬変(AST/ALT比2.0以上)
AST>ALT ⇒ 肝がん(AST/ALT比3.0以上)
ASTのみ高値 ⇒ 心筋梗塞など肝臓以外の疾患
〈ICD分類〉
急性C型肝炎 ⇒ B17.1
慢性C型ウイルス性肝炎 ⇒ B18.2
C型肝硬変 ⇒ B18.2† K74.6*