【白癬(はくせん)とは?】
白癬とは、「皮膚糸状菌」と呼ばれるカビが皮膚の表面、爪、毛などに感染することによって引き起こされる病気のことをいいます。日本には10種類ほどの皮膚糸状菌が存在することが分かっています。皮膚糸状菌の栄養源はケラチンというタンパク質の一種です。そのため皮膚糸状菌は、ケラチンが多く存在する皮膚の角質層や毛、爪などに感染します。
【白癬の分類】
白癬は発症する部位によって呼び名が異なります。足白癬(水虫)、爪白癬(爪水虫)、手白癬(手の水虫)、股部白癬(いんきんたむし)、体部白癬(ぜにたむし)、頭部白癬(しらくも)、ほかにケルス禿瘡、白癬性毛瘡などに分類されます。また足白癬は、趾間型、小水泡型、角質増殖型に分類されます。
最も多い足白癬は白癬全体の60%を占め、次に多いのが爪白癬の27%です。日本人の約20%が足白癬に、約10%が爪白癬に罹患しているといわれています。
【原因】
白癬は、皮膚糸状菌が皮膚に付着し、湿度や温度の条件が揃うと発症します。感染経路は、接触感染です。人やペットから住環境に落ちた菌が、床、マット、スリッパなどを介し主に家庭内や、スポーツなどを通じて感染します。
【治療】
基本的に皮膚糸状菌に効果のある抗真菌薬の塗り薬を患部に適切に使用することによって改善します。
〈ICD分類〉
ケルス禿瘡 ⇒ B35.0
白癬性毛瘡 ⇒ B35.0
頭部白癬(しらくも)⇒ B35.0
爪白癬(爪水虫)⇒ B35.1
手白癬(手の水虫)⇒ B35.2
足白癬(水虫)⇒ B35.3
体部白癬(ぜにたむし)⇒ B35.4
渦状癬 ⇒ B35.5
股部白癬(いんきんたむし)⇒ B35.6
マジョッキ肉芽腫 ⇒ B35.8
白癬菌性肉芽腫 ⇒ B35.8
黄癬※1 ⇒ B35.9
頑癬※2 ⇒ B35.9
白癬NOS ⇒ B35.9
※1黄癬とは、黄癬菌という真菌(カビ)の感染によって生ずる皮膚疾患。
※2頑癬とは、昔からたむしと呼ばれる様々な種類の白癬の総称。陰嚢湿疹などを合わせていんきんたむしと混称されるが、頑癬は、陰嚢は侵さない。