【リンパ節炎とは?】
リンパ節炎とは、一つまたは複数のリンパ節に感染が生じている病気です。リンパ節に腫れと圧痛がみられます。原因は、細菌、ウイルス、原虫、真菌の感染によって起こります。典型的には、皮膚、耳、鼻、眼の感染症、または伝染性単核球症、サイトメガロウイルス感染症、連鎖球菌感染症、結核、梅毒などの感染症がリンパ節炎に拡大して生じます。
【急性リンパ節炎と慢性リンパ節炎】
リンパ節炎は基本的に急性リンパ節炎と慢性リンパ節炎の二つに分類されています。
《急性リンパ節炎》
急性リンパ節炎とは、細菌の感染などによってリンパ管に炎症が起こり、リンパ管と繋がっているリンパ節に急性の炎症が起こっている状態のことをいいます。頸部、腋窩、鼠径部にあるリンパ節炎が好発部位です。炎症が起こるとリンパ節が腫れて(リンパ節腫脹)、押すと痛みます。リンパ節炎が悪化すると化膿し、また演奏が周囲組織に及んで、リンパ節周囲炎になることもあります。
《慢性リンパ節炎》
慢性リンパ節炎は、リンパ節炎が長期にわたり続いている状態のことをいいます。咽頭炎、扁桃炎、虫歯などによって、弱い刺激が繰り返されて、リンパ節に加わっているために発症することもありますし、急性リンパ節炎が完治せずに慢性化して起こる場合もあります。また肺結核やトキソプラズマ症が原因となることもあります。
【結核性リンパ節炎とは?】
結核にかかり病変がリンパ節に及んだ場合に生じます。1個または数個のリンパ節が腫れてきますが、痛みはありません。腫れたリンパ節同士が互いに癒合し、塊になっていきます。
【治療】
感染の原因によって治療法は異なります。細菌感染症の場合は、通常、抗菌薬を静脈内注射か経口で投与します。慢性リンパ節の場合は、原因となる疾患の治療を行います。
〈ICD分類〉
急性リンパ節炎 ⇒ L04.0-9
亜急性リンパ節炎 ⇒ I88.1
慢性リンパ節炎 ⇒ I88.1
リンパ節炎NOS ⇒ I88.9
結核性リンパ節炎 ⇒ A18.3† K93.0*