縦隔腫瘍③ 胸腺がん、胸腺カルチノイド

 
やまねこ
胸腺腫よりも悪性度が高いのが胸腺がんだニャ

【胸腺がん、胸腺カルチノイドとは?】

胸腺がんとは、胸腺上皮細胞から発生する悪性腫瘍です。転移、再発を起こします。胸腺腫に比べて明らかに悪性度が高く、進行も急速です。予後は厳しく、5年生存率は、50%程度とされています。10年生存率は25%程度となります。

胸腺カルチノイドは以前胸腺がんの一部に分類されていますが、2015年の分類から別の分類である神経内分泌腫瘍に分類されるようになりました。

【病期分類(WHO)】

TX原発腫瘍が判定出来ない。

T0原発腫瘍を認めない/N0:転移なし/M0:遠隔転移なし

T1完全に被膜に覆われている/N1:前縦隔リンパ節転移/M1:遠隔転移あり

T2被膜外の結合組織に浸潤/N2:前縦隔以外の胸腔内のリンパ節転移

T3心膜、縦隔胸膜、胸壁、大血管、肺などの周囲の臓器への浸潤/N3:斜角筋あるいは鎖骨上リンパ節転移

T4胸膜播種や心膜播種

【治療法】

可能な限り完全切除を目指します。基本的には術後には放射線治療が行われます。手術療法が選択出来ないときは、放射線治療や化学療法を組み合わせますが、決まった化学療法はありません。胸腺腫や肺がんに準じた化学療法などが選択されています。

〈ICD分類〉

原発性胸腺がん ⇒ C37

胸腺カルチノイド ⇒ C37

続発性胸腺がん ⇒ C79.8