硬膜下水腫と水頭症は違うニャ
【硬膜下水腫とは?】
硬膜下水腫とは、水様透明あるいは黄色調の液体が硬膜下腔に貯留した状態のことをいいます。
原因は①くも膜の亀裂②硬膜下小出血による浸透圧格差③くも膜の炎症④硬膜下血腫の血液成分の吸収などが挙げられますが、原因不明のもの(特発性)のものも10~20%あります。外傷によるものの場合は、一般的にくも膜の亀裂が生じ、髄液が硬膜下腔に流出し貯留が起こると考えられています。
水腫は自然に吸収されることもありますが、頭蓋内圧亢進症状(頭痛、めまいなど)を伴う場合には手術を行う必要があります。
【硬膜下水腫と硬膜下血腫の違い】
水腫によって硬膜下腔が拡大すると、架橋静脈にストレスがかかり、さらに水腫内に血液が貯留することで架橋静脈へのストレスが強くなって血腫が形成されていきます。これが慢性硬膜下血腫です。
【硬膜下水腫と水頭症の違い】
脳脊髄液が脳室に貯留をするのが水頭症であるのに対し、硬膜下水腫は水様透明あるいは黄色調の液体(血球成分が見られず、黄色い水が主成分のものを水腫という。原因がくも膜の亀裂による場合は脳脊髄液)が硬膜下腔に貯留した場合のことをいいます。
【治療】
硬膜下水腫が慢性硬膜下血腫へ移行し、血腫が増大した場合には、外科的手術の適応となります。穿頭し、血腫を洗浄除去し、ドレーンを残すという術式が一般的です。
〈ICD分類〉
慢性硬膜下水腫 ⇒ G91.9
外傷性硬膜下水腫 ⇒ S06.50-1