頸動脈狭窄症

 
やまねこ
頸動脈狭窄症は、進行すると脳梗塞を引き起こすニャ

【頸動脈狭窄症とは?】

大脳に血液を送る非常に大切な血管を頸動脈といいます。まず総頸動脈が胸部大動脈から続き、頸部にて脳に血液を送る内頸動脈と、顔面に血液を送る外頸動脈に分かれます。

頸動脈狭窄症とは、動脈硬化の進行によって、この内頸動脈と外頸動脈の分岐部の血管壁に余分なプラークという塊が出来て溜まっていき、血液が流れる通路が狭くなってしまう病気です。

頸動脈の狭窄が進行すると、脳へ血液が行かなくなったり、溜まっていたプラークが剥がれて脳血管内で詰まってしまったりしてしまって、脳細胞が死んでしまう脳梗塞を引き起こすことがあります。

【頸動脈狭窄症の症状】

頸動脈狭窄だけではまったく症状は出ません。ただし脳が血流不足に陥った場合には、脳梗塞と同じで言葉が出にくい、手足が動きにくいなどの症状が出ます。一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる症状が数分から24時間以内に回復する場合と、脳梗塞を発症して後遺症を残す場合があります。また一過性脳虚血発作を繰り返すうちに、脳梗塞になってしまう場合もあるので、一過性脳虚血発作を発症した場合は、ただちに医療機関を受診する必要があります。

【治療法】

狭窄が軽度で症状がない場合でも、喫煙、飲酒、高血圧、脂質異常症、糖尿病など、動脈硬化の危険因子を治療する必要があります。

また脳梗塞の予防のため、頸動脈狭窄病変を治療するには、内科的治療、頸動脈内膜剥離術(CEA)、頸動脈ステント留置術(CAS)があります。

《内科的治療》

頸部動脈部で剥がれた血栓が脳血管に詰まることが、脳梗塞を起こす主な原因となっています。そこで血栓が出来ないように抑える抗血小板剤を内服します。

《頸動脈内膜剥離術(CEA)》

頸動脈を切開し、直接プラークを取り除きます。

《頸動脈ステント留置術(CAS)》

頸動脈の深い部分までカテーテルを通し、狭窄部をバルーンで膨らませてから、再度狭くならないようにステントを留置します。

〈ICD分類〉

頸動脈硬化症 ⇒ I65.2

総頸動脈狭窄症 ⇒ I65.2

総頸動脈閉鎖症 ⇒ I65.2

内頸動脈狭窄症 ⇒ I65.2

内頸動脈閉鎖症 ⇒ I65.2

外頸動脈狭窄症 ⇒ I65.2

〈ICD9-CM〉

頸動脈内膜剥離術(CEA)⇒ 38.12

頸動脈ステント留置術(CAS)⇒ 39.90