【もやもや病(ウイルス動脈輪閉塞症)とは?】
心臓から脳に向かう4本の動脈は、頭蓋骨内で交通動脈と呼ばれる血管で結ばれ、ウイルス動脈輪と呼ばれるロータリーのような構造になっています。もやもや病(ウイルス動脈輪閉塞症)とは、この動脈輪の一部である左右の内頸動脈の終末部分が、徐々に塞がっていってしまう病気です。血管が塞がることで不足した血液を補うために、側副血管(側副血管行路)と呼ばれる細い血管が新たに発達して作られ、この血管がもやもやとした煙のように見えることから、もやもや病と名付けられました。
症状の出現には、脳の血流不足による「虚血型」と側副血管(側副血行路)からの出血による「出血型」があります。
【もやもや病(ウイルス動脈輪閉塞症)の原因】
遺伝との関連性が疑われ、2011年には「RNF213」という遺伝子がもやもや病の感受性遺伝子であり、この遺伝子の保有者がもやもや病の発症率が高いことが分かりました。ただしこの遺伝子は、発症に直結する「原因遺伝子」であるため、何か他の要因が加わることで、初めて発症するものだと考えられています。
虚血の症状は、一過性脳虚血発作が現れます。その後、元に戻り改善したとしても、酷い血流不足が続くと脳梗塞が発症し、症状は後遺してしまいます。
【治療法】
脳血管が徐々に詰まっていくのを治療する方法はありません。基本的には脳血流の不足を治す手術を行うことになります。
《直接血行再建術》
頭皮の血管を脳の表面の血管に直接つなぎ、脳血流の不足を補います。
《間接血行再建術》
頭部の筋肉や血管、脳や頭蓋骨を包んでいる膜などを脳表に接着させ、自然に血流が入るのを期待する手術になります。
《複合血行再建術》
直接血行再建術と間接血行再建術を併用した手術。
〈ICD分類〉
もやもや病(ウイルス動脈輪閉塞症)⇒ I67.5
〈ICD9―CM〉
頭蓋内外バイパス術 ⇒ 39.28
動脈形成術(頭蓋内動脈)⇒ 39.29