子宮頸管無力症(子宮頸管不全症)

 
やまねこ
子宮頸管無力症の原因は、通常特定出来ないニャ

【子宮頸管無力症とは?】

子宮頸管(子宮の下部)が正常の状態では、子宮の収縮に応じて陣痛が始まらない限り、子宮頸管は開大しません。しかし、稀に子宮頸部の組織が脆弱な女性がおり、はっきりとした原因もなく、予定日よりもずっと早く子宮頸管が開いてしまうことがあります。そのように妊婦が臨月を迎える前に、痛みが生じることなく子宮頸管が開いてしまう状態を子宮頸管無力症といいます。日本での発生頻度は、0.05~1%程度と言われており、場合によっては妊娠中期に分娩(早産)となってしまうこともあります。

【原因】

子宮頸管無力症の具体的な原因は、通常特定出来ません。

ただ以下に挙げたことにより、子宮頸部が脆弱になるリスクがあると言われています。

・エーランス・ダンロス症候群などの先天性の結合組織疾患がある。

・円錐切除、生検、もしくは子宮頸管を広げる処置による損傷がある。

・妊娠中期(第2トリメスター)の流産を経験したことがある。

【治療】

慎重な経過観察をとる方法と、子宮頸部の周囲や子宮頸部を縫合し、子宮頸管が早期に開かないように処置(子宮頸管縫縮術)をする方法があります。後者は、子宮頸管無力症が疑われた、もしくは診断された場合に妊娠12週を過ぎてから実施されるものです。

〈ICD分類〉

子宮頸管無力症 ⇒ O34.3

〈ICD9-CM〉

子宮頸管縫縮術 ⇒ 67.59