血液透析の分類

 
やまねこ
透析にも色々と種類があるニャ

【末期腎不全の治療手段】

  • 慢性腎臓病は現在の医療では正常な状態には回復しません。そのほとんどが末期腎不全に進行しますが、適切な治療によって末期腎不全に至る時期を遅らせることは出来ます。具体的には原疾患の治療があげられます。また生活習慣病の薬剤や生活指導による生活の是正、食事療法などが大事になります。
  • 慢性腎臓病により、末期腎不全に至った場合は回復の可能性がなく、尿毒症や高カリウム血症・心不全などの重大な問題を起こすので、透析移植が必要となります。また薬でコントロールできない心不全や尿毒症状、高カリウム血症等が生じれば、透析や移植を早期に行う必要があります。
  • 末期腎不全に対する治療は腎臓の機能のうち、水・電解質及び老廃物を除去する手段である「透析療法」と腎臓の機能をほぼすべて肩代わりする「腎臓移植」の2通りがあります。
  • 末期腎不全の治療手段として透析療法(血液透析、腹膜透析)もしくは腎臓移植(生体移植、献腎移植)のうち、何を選ぶのかは、医学条件だけでなく、ライフスタイルや年齢、性格なども考慮する必要があります。

【透析療法とは?】

腎臓に代わって人工的に体の血液を浄化する働きを代行する方法が透析療法です。

透析療法を受けることにより生命を維持することが出来、ある程度までは普通に生活することが可能になります。

しかし透析療法は腎臓を回復される手段ではなく、腎臓の機能を完全に補うものでもありません。したがって腎移植を受ける場合を除いて生涯継続する必要があり、長く続けていると合併症も生じてきます。

≪透析療法のタイプ≫

透析療法には、血液透析腹膜透析の二通りがあります。

日本では血液透析を受けている透析患者が圧倒的に多いです。

血液透析(HD)血液透析は血液の体外循環により人工腎臓に血液を通して尿毒素を除去します。

腹膜透析(PD)腹膜透析は自分のおなかにある腹膜を使い、尿毒素の除去を行います。

また血液透析とは異なるやり方で血液を浄化する手法として血液濾過(HF)血液濾過透析(HDF)があります。

血液濾過(HF)血液透析とは異なる手法で、老廃物の除去と電解質の調整のため補充液を血液中に注入し、注入した同量の補充液分を濾過する治療法です。血液透析に比べ、急激な血漿浸透圧変化に影響を与えないため、眼圧や脳圧の高い患者や、循環動態の不安定な患者に効果的です。

血液濾過透析(HDF)血液透析と血液濾過の特徴を併用し、小分子物質から低蛋白物質まで幅広い除去が可能になる治療法です。適応としては、透析困難症、緑内障、末梢神経障害などです。

持続的血液濾過透析(CHDF)救急・集中治療領域における循環動態の不安定な患者に対する血液透析の一つです。持続血液濾過の尿毒素の除去能力が充分でないという欠点を補うために透析の原理を加えた方法です。

≪略語≫

血液透析(HD)

間欠的血液透析(IHD)

血液濾過(HF)

血液透析濾過(HDF)

持続的透析濾過(CHDF)

腹膜透析(PD、CAPD、APD)

〈ICD9-CM〉

腎透析のための動静脈吻合術 ⇒ 39.27

腎透析用動静脈シャントの修正術 ⇒ 39.42

腎透析用動静脈シャント除去術 ⇒ 39.43

腎透析のための静脈カテーテル挿入術 ⇒ 38.95

動脈表在化術 ⇒ 39.59

血液透析 ⇒ 39.95

腹膜カテーテル留置 ⇒ 54.95

腹膜透析 ⇒ 54.98