【心筋症の分類】
《特発性心筋症と特定心筋症の違い》
心筋症とは、心筋(心臓の筋肉)に構造的な異常をきたし、心臓のポンプ機能の低下を認める疾患の総称のことをいいます。原疾患のない特発性心筋症と、高血圧やアルコールなど原疾患のある特定心筋症に分類することが出来ます。
[特発性心筋症]
・肥大型心筋症
・拡張型心筋症
・拘束型心筋症
・不整脈源性右室心筋症
・分類不能型心筋症
[特定心筋症]
・虚血性
・弁膜症性
・高血圧性
・全身疾患(自己免疫疾患、サルコイドーシス等)
・筋ジストロフィー
・神経・筋疾患
・中毒性疾患(薬物等)
・アルコール性
・産褥性
【特定心筋症の種類】
《虚血性心筋症》
心臓に血液を送り込む冠動脈が細くなったり、詰まったりする疾患です。血液の供給不足(虚血)ないしは、壊死を引き起こします。
《アルコール性心筋症》
アルコール多飲歴が原因で拡張型心筋症に似た左心室の拡大や心臓の壁運動の低下が見られる人がいます。早期であれば改善しますが、末期になると断酒しても改善しません。
《心サルコイドーシス》
サルコイドーシスとは、肉芽腫という炎症細胞の蓄積が全身の様々な臓器にみられる疾患です。肉芽腫が心臓にも形成された場合を、心サルコイドーシスと言います。これが進行すると、拡張型心筋症と似た左心室の拡大、心臓の壁運動の低下がみられます。徐脈性不整脈を起こした場合は、ペースメーカーを必要とすることもあります。
〈ICD分類〉
虚血性心筋症 ⇒ I25.5
アルコール性心筋症 ⇒ I42.6
薬物性心筋症 ⇒ I42.7
その他の心筋症 ⇒ I42.8
続発性(特定)心筋症 ⇒ I42.9
心筋症NOS ⇒ I42.9
心サルコイドーシス ⇒ I86.8
産褥性心筋症 ⇒ O90.3