心筋炎

 
やまねこ
先進国での感染性心筋炎の主な原因は、パルボウイルスやヒトヘルペスウイルスなどによるウイルス感染だニャ

【心筋炎とは?】

心筋炎とは、心筋(心臓の筋肉)に炎症が起きた状態のことをいいます。炎症は心筋全体に広がる場合もあれば、一部の領域に留まる場合もあります。炎症が心膜に及ぶと心筋心膜炎となります。その重症度や心膜への広がりによって、症状が変わってきます。炎症が心臓全体に広がった場合は、心不全や不整脈、そしてときには突然死を引き起こすことがあります。

【心筋炎の原因】

心筋炎の原因は、感染によって起こる場合と、感染以外の場合、そして特定できない場合(特発性)に分けられます。ほとんどの先進国では、感染性心筋炎の原因は、パルボウイルスB19やヒトヘルペスウイルス6型などのウイルス感染です。発展途上国では、リウマチ熱、シャーガス病、エイズなどによって引き起こされることが多くなっています。

【心筋炎の分類】

心筋炎は発症期間の長さなどによって、急性、慢性、劇症型に分類されます。また病理所見からリンパ球型、巨細胞性などに分類されます。

《巨細胞性心筋炎》

急速に発症する重症型の稀な心筋炎です。原因は不明ですが、自己免疫が関与している可能性があります。巨細胞性心筋炎になると、心臓が突然、体の機能を支えるのに十分な血液を送り出すことが出来なくなり、心原性ショックを引き起こす可能性があります。予後は不良で、免疫抑制療法が生存期間の延長に役立つ可能性があります。

《劇症型心筋症》

心筋炎の中でも心臓の機能が急激に低下し、全身の循環が維持できなくなる疾患です。人工心肺装置を用いて、心臓の回復を待つしかない場合もあります。

【治療】

心臓の調子が悪いときのみに、心不全や不整脈に対する治療となります。循環を維持出来ない場合は人工心肺装置や左心補助装置を使って心臓をサポートすることもあります。

〈ICD分類〉

ウイルス性心筋炎 ⇒ I40.0

感染性心筋炎 ⇒ I40.0

特発性心筋炎 ⇒ I40.1

劇症型心筋炎 ⇒ I40.8

急性心筋症 ⇒ I40.9