心タンポナーデとは、心嚢液が大量に心嚢内に貯留した結果、心臓が充分に拡張することが出来ない状態をいうニャ
【心嚢液とは?】
心臓は通常心膜という二枚の薄い膜に包まれています。この二枚の膜の間のスペースは「心嚢」または「心膜腔」と呼ばれ、その中は「心嚢液」と呼ばれる液体で満たされています。心嚢液には、心臓の拡張を繰り返すための潤滑油としての役割と、外部からの心臓への衝撃や病原菌に対する保護という役割があります。
【心タンポナーデとは?】
様々な要因によって、心嚢液が大量、あるいは急速に増加して心嚢内に貯留してしまい、心嚢内圧が上昇、その結果心臓が充分に拡張することが出来ない状態のことをいいます。そうなると、急速にショック状態になり、進行すると死に至る疾患です。
【原因による分類】
・特発性:原因不明
・感染性:ウイルス性、結核性、細菌性、真菌性による急性・慢性の心膜炎
・非感染性:急性大動脈解離、急性心筋梗塞、悪性腫瘍の心膜浸潤、尿毒症、膠原病、薬剤性等
・外傷性:交通事故などによる胸部打撲
【治療】
心嚢穿刺を行い、心嚢液の排液と心嚢の減圧を行います。穿刺困難の場合は、外科的に剣状突起下アプローチによる排液も行います。慢性の心嚢液貯留に対しては、心膜切開(開窓術)を行うこともあります。
〈ICD分類〉
心タンポナーデ ⇒ I31.9
心嚢液貯留 ⇒ I31.9
〈ICD9-CM〉
心嚢穿刺 ⇒ 37.0
心膜切開(開窓)術 ⇒ 37.12