石綿じん肺は訴訟問題で一気に名前が知れ渡ったニャ
【じん肺とは?】
じん肺は、空気中に浮遊する鉱物性のほこり(無機粉じん)を長期間に渡って肺に吸入し続けた結果、肺内に粉じんが沈着し、線維性病変などを作る病気です。代表的なじん肺は、珪肺(珪酸)、石綿肺(アスベスト)です。ほかに滑石肺(珪酸化合物)、アルミニウム肺(アルミニウム)、アーク溶接工肺(酸化鉄)、炭肺(炭粉)などがあります。
【原因】
ほとんどが粉じんにさらされる職業病です。長期間粉じんを肺に吸入することにより、粉じんが肺内に沈着して、肺の線維化、気管支炎、気管支拡張などを起こします。
【合併症】
肺結核、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支拡張症、気胸など。
石綿(アスベスト)は、じん肺の石綿肺だけでなく、胸膜中皮腫、肺がん、胸膜炎といった病気を引き起こすことが知られています。
【治療】
根本的な治療法はなく、症状を緩和する治療が主体です。
【石綿関連疾患について】
石綿肺というじん肺は石綿高濃度曝露によって発生するため、石綿の使用が禁止となった現在ではその発生が少なくなることが予想されます。ただし、石綿低濃度曝露でも発生すると言われる中皮腫の発生は、石綿初回曝露から約40年を経て発生することから、今後増加することが予想されています。
《石綿によって発生する明らかな疾患》
・石綿肺
・肺がん
・中皮腫
・良性石綿胸水
・びまん性胸膜肥厚
〈ICD分類〉
炭坑夫じん肺 ⇒ J60
石綿じん肺 ⇒ J61
珪酸を含む粉じんによるじん肺 ⇒ J62.0-8
その他の無機粉じんによるじん肺 ⇒ J63.0-8
じん肺NOS ⇒ J64
結核を伴うじん肺 ⇒ J65
肺がん ⇒ C34.0-9
胸膜中皮腫 ⇒ C45.0