【睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?】
睡眠中10秒以上呼吸が止まることを「無呼吸」と呼び、無呼吸にはなっていないけれども、もう少しで止まりそうな弱い呼吸を「低呼吸」といいます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、主に睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなることによって無呼吸状態と大きないびきを繰り返す病気のことです。
主な原因は肥満による喉周りの脂肪ですが、顎が小さい、舌が大きい、扁桃が大きいといった生まれつきの身体的特徴や慢性的な鼻炎など耳鼻科領域の病気が原因となることもあります。
【閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)】
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は大きく分けて、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)と中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)の2種類に分かれます。
《閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)》
呼吸運動が保たれているものの、上気道のどこかの閉塞によって鼻・口の気流が一時的に停止ることによって発症します。
成人は肥満によるものがほとんどですが、小児では身体的特徴が原因となることもあります。またそのほかにも鼻炎や鼻中隔湾曲症などの鼻の病気も原因として挙げられます。
《中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)》
脳や神経の中で呼吸をつかさどる延髄の呼吸中枢の異常によって、呼吸運動そのものが停止する疾患です。
原因はわからないことが多いのですが、心不全や腎不全を発症している場合や、脳梗塞や脳出血の後遺症、生まれつき脳に奇形がある場合などで発症しやすいと考えられています。また閉塞性ではいびきが生じますが、中枢性では基本的にいびきは生じません。
【治療法】
閉塞性の場合:減量(肥満が原因の場合)、持続陽圧呼吸療法(シーパップ:CPAP療法)、口腔内装置(マウスピース療法:OA)、外科手術などで治療します。また生活習慣の改造でよくなることもあります。
中枢性の場合:原因疾患の治療が優先されます。それでも症状が残ってしまう場合は、酸素療法またはCPAP療法などの陽圧呼吸療法を行います。
〈ICD分類〉
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)⇒ G47.3
中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)⇒ G47.3
睡眠時無呼吸症候群(SAS)⇒ G47.3