ARDSは、病気ではなく症候群だニャ
【急性呼吸窮迫症候群(ARDS)とは?】
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)とは単一の病気ではなく、様々な原因によって生じる症候群です。以下の定義になっています。
《急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の定義》
1)一週間以内の経過で急に発症している。
2)低酸素血症が明らかである。
3)胸部エックス線やCTスキャンで両肺に異常な影がある。
4)心不全が原因ではない。
【急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の原因】
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の原因となる疾患は直接損傷と間接損傷の二つに大きく分けることが出来ます。直接損傷で最も多くみられるのは肺炎であり、間接損傷で多くみられるのは敗血症です。
直接損傷:肺炎、胃内容物の吸引、脂肪塞栓、吸入障害(有毒ガスなど)、再灌流肺水腫(肺移植後など)、溺水、放射線障害、肺挫傷
間接損傷:敗血症、外傷、高度の熱傷、心肺バイパス術、薬物中毒、急性膵炎、自己免疫疾患、輸血関連急性肺損傷
【治療法】
低酸素血症を改善させるために、人工呼吸管理を行います。また敗血症や肺炎などの原因となっている細菌感染症に対する抗菌薬物療法や全身管理を行う目的での水分や栄養の管理を行います。またARDS患者の生存率改善につながる薬剤は現在まで知られていません。
〈ICD分類〉
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)⇒ J80