【苔癬とは?】
苔癬(たいせん)とは、丘疹(きゅうしん)が密生ないし散生し、終始そのままで形態に変化が見られない、皮膚病変のことをいいます。ちなみに苔癬化とは、苔癬と異なり、皮膚の慢性浸潤変化を指したものをいいます。
【苔癬の種類】
《扁平苔癬》
皮膚、口腔粘膜、口唇、亀頭などに中心腋窩をもった丘疹が出来る疾患です。かゆみを伴う再発性の病気で、皮膚では帯状、線状に配列することが多いです。原因はハッキリとはわかっていませんが、様々な薬剤に対する免疫系の反応によるものではないかと考えられています。
《毛孔性苔癬》
上腕伸側の四肢や腰臀部などの毛孔に一致して角化性丘疹が多発する疾患のことをいいます。思春期から症状が現れ、自然治癒することも多いです。
《アミロイド苔癬》
表面直下の真皮組織におけるアミロイドの沈着によって生じる病変です。下腿前面に対側性に丘疹、小結節が生じます。激しいかゆみを伴います。
《慢性単純性苔癬(ヴィダール苔癬》
皮膚の上層の慢性の炎症によって限局的にかゆみを生じ、そのうちに境界鮮明な浸潤肥厚を生じる病気です。項部に好発します。
〈ICD分類〉
扁平苔癬 ⇒ L43.0-9
慢性単純性苔癬(ヴィダール苔癬)⇒ L28.0
アミロイド苔癬 ⇒ E85.4† L99.0*
毛孔性苔癬(先天性)⇒ Q82.8
毛孔性苔癬(後天性)⇒ L85.8
毛孔性扁平苔癬 ⇒ L66.1
硬化性(萎縮性)苔癬 ⇒ L90.0
硬化性(萎縮性)苔癬 ⇒ N48.0
硬化性(萎縮性)外陰苔癬 ⇒ N90.4
蕁麻疹様苔癬 ⇒ L28.2
光沢苔癬 ⇒ L44.1
紅色念〈連〉球状苔癬 ⇒ L44.3
紅色扁平苔癬 ⇒ L43.9
苔癬化 ⇒ L28.0