皮膚炎(湿疹)

 
やまねこ
ひとくちに皮膚炎と言っても色々あるニャ

【皮膚炎(湿疹)とは?】

皮膚炎とは、皮膚の表層(表皮・真皮上層)に起こる炎症の総称で湿疹とも呼ばれます。原因としてわかっているものは、皮膚の乾燥、特定の物質への接触、特定の薬、静脈瘤、掻痒などがありますが、真菌感染症などの皮膚感染症は皮膚炎(湿疹)には分類されません。かゆみ、水疱、発赤、腫れを生じ、多くの場合、じくじくしてかさぶたになり、鱗屑(りんせつ:うろこ状の屑)が生じます。

原因のはっきりしない皮膚炎(湿疹)の場合、発症から間もない湿疹は、「急性湿疹」、長期化し皮膚が乾燥してゴワゴワした状態は「慢性湿疹」と呼ばれます。

【様々な皮膚炎(湿疹)】

体の特定の部位にのみに生じる皮膚炎(接触性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、うっ滞性皮膚炎、汗疱など)もあれば、あらゆる部位に生じる皮膚炎(アトピー性皮膚炎や剥脱性皮膚炎など)もあります。原因がわかっている皮膚炎(アレルギー性皮膚炎)もあれば、わかってない皮膚炎(貨幣状湿疹など)もあります。

《アトピー性皮膚炎》

アレルギー性の体質や皮膚のバリア機能低下など、様々な原因が組み合わせって怒る炎症です。かゆみを伴う湿疹が、全身または部分的に発生し、治ったり悪化したりを繰り返す特徴があります。

《脂漏性皮膚炎》

皮膚から分泌される脂質を分解して皮膚の炎症を引き起こすと考えられているマラセチアと呼ばれる錠剤の真菌が発症に大きく関わっていると考えられています。慢性の湿疹で、好発部位は頭皮ですが、それ以外にも顔、胸、背中、腋窩、脇などの脂漏部位にみられます。

《アレルギー性接触性皮膚炎》

接触性皮膚炎は、皮膚に接触した物質によって引き起こされる皮膚炎(湿疹)のことをいいます。アレルギー性接触性皮膚炎とは、その中でアレルギーの原因物質となるアレルゲンが皮膚に接触したことで引き起こされる免疫反応です。

《掻痒症》

掻痒症とは、皮膚にかゆみを引き起こすような湿疹や発疹がないにもかかわらず、かゆみが生じる状態のことをいいます。原因は様々ですが、皮膚の乾燥が代表的です。

《おむつ皮膚炎》

おむつ皮膚炎とは、おむつが当たっている部分に赤みやブツブツなどを生じた状態のことをいいます。

《貨幣状皮膚炎》

円形から楕円形をした貨幣状の湿疹のことをいいます。小さな丘疹が徐々に大きくなり、ジュクジュクした表面をかさぶたや角化した皮膚が覆うのが特徴です。

《汗疱》

掌や足の裏などに粟粒大の水疱が生じる病気のことをいいます。強いかゆみを伴った水疱が多発することもよくあり、治療過程でかさぶたが付着したり再発したりすることもあります。

【治療】

皮膚炎(湿疹)の治療は原因と具体的な症状によって異なります。かゆみを緩和するためには、保湿剤やコルチコステロイドクリームを処方します。抗菌薬の服用や特定の薬の注射が行われることもあれば、紫外線を当てることが有用な場合もあります。

〈ICD分類〉

アトピー性皮膚炎 ⇒ L20.0-9

脂漏性皮膚炎 ⇒ L21.0-9

おむつ皮膚炎 ⇒ L22

アレルギー性接触性皮膚炎 ⇒ L23.0-9

刺激性接触性皮膚炎 ⇒ L24.0-9

接触性皮膚炎NOS ⇒ L25.0-9

剥脱性皮膚炎 ⇒ L26

摂取物質による皮膚炎 ⇒ L27.0-9

掻痒症 ⇒ L29.0-9

貨幣状皮膚炎 ⇒ L30.0

異汗症(汗疱)⇒ L30.1

自家感作性皮膚炎 ⇒ L30.2

感染性皮膚炎 ⇒ L30.3

紅斑性間擦疹 ⇒ L30.4

白色粃糖疹 ⇒ L30.5

皮膚炎NOS ⇒ L30.9