房室ブロック

 
やまねこ
完全房室ブロックにはペースメーカー手術が必要だニャ

【房室ブロックとは?】

心房と心室の境界にある、電気の流れを調節する組織を房室結節といいます。この房室結節の機能が低下して、心房から心室へ電気が伝わらなくなって脈が遅くなるのが房室ブロックです。

房室ブロックは、重症度により、1度、2度、3度に分けられます。

心筋梗塞や心筋症のような病気に伴って2~3度の房室ブロックが起きた場合は、極端に脈が遅くなったり、心臓が止まったりすることがあるので注意が必要です。

房室ブロックは、洞不全症候群と異なり、原因の病気が隠れていることが多いので、十分な検査が欠かせません。

症状が出ている場合の房室ブロックに対しては、多くはペースメーカー手術が必要です。症状がなくても3度の房室ブロックの場合は、ペースメーカーを受け込んだ方がいいといわれています。

【房室ブロックの分類】

1度:心房から心室への電気伝導が正常よりも遅くなった状態。実際の拍数は減少しないので、多くの場合は治療を必要としません。

2度:心房から心室への電気伝導がときどき途絶える状態で、二つの方に分類されます。

《ウェンケバッハ型》

心房から心室への伝導が一拍ごと悪くなっていった後に一瞬途絶えてしまう状態です。通常は治療を必要としません。

《モービッツⅡ型》

心房から心室への伝導が突然途絶えてしまう状態で、ウェンケバッハ型に比べて危険性が高い状態です。

3度(完全房室ブロック):心房から心室への電気伝導が完全に途絶えている状態で、極めて危険性が高く、突然死することもあります。ペースメーカー手術が必要です。

〈ICD分類〉

1度房室ブロック ⇒ I44.0

2度房室ブロック ⇒ I44.1

ウェンケバッハ型房室ブロック ⇒ I44.1

モービッツⅡ型房室ブロック ⇒ I44.1

3度房室ブロック(完全房室ブロック)⇒ I44.2

房室ブロックNOS ⇒ I44.3