【大腸ポリープとは?】
大腸の表面の粘膜が疣(いぼ)のように盛り上がって出来た球状のコブのことを大腸ポリープと呼びます。大腸ポリープは、大きく腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分けられ、さらに腫瘍性ポリープは腺腫とがん、非腫瘍性ポリープは過形成ポリープと過誤腫性ポリープ、炎症性ポリープに分類されます。
また家族内で頻発するポリープとして、家族性腺腫性ポリポーシスという数百から数万に及ぶ無数のポリープが大腸に出来る病気があります。
これらのうち、よく見られるのは腺腫と過形成ポリープで、腺腫については良性であっても大きくなると大腸がんになる可能性があります。
【原因】
ポリープそのものが出来る原因は、主に遺伝子の異常であると考えられています。大腸がんのリスクを高める要因として、年齢、家族歴、肉食傾向、肥満、飲酒、喫煙などが指摘されますが、こうした要因が特定の遺伝子に変化を起こすことでポリープを発症し、がんになると言われています。
【大腸腺腫の種類】
大腸腺腫には、管状腺腫、絨毛性腺腫、鋸歯状腺腫(きょしじょうせんしゅ)があります。
また大腸に100以上の腺腫が出来るのを大腸腺腫症といい、放置すれば100%大腸がんを発生します。
大腸腺がんはごく一部のケースを除き、大腸腺腫から発生すると考えられています。腺腫を悪性化する前に切除することにより大腸がんは予防可能です。
上記のように、大腸腺腫と大腸腺腫症では意味合いが異なってきます。ICDのコード上は同じですが、病名の使い方に注意しましょう!
〈ICD分類〉
大腸ポリープ ⇒ K63.5
直腸ポリープ ⇒ K62.1
肛門ポリープ ⇒ K62.0
盲腸ポリープ ⇒ D12.0
虫垂腫瘍 ⇒ D12.1
上行結腸腺腫 ⇒ D12.2
横行結腸腺腫 ⇒ D12.3
下行結腸腺腫 ⇒ D12.4
S状結腸腺腫 ⇒ D12.5
大腸腺腫 ⇒ D12.6
大腸腺腫症 ⇒ D12.6
家族性大腸ポリポーシス ⇒ D12.6
直腸S状結腸移行部腺腫 ⇒ D12.7
直腸腺腫 ⇒ D12.8
肛門および肛門管腫瘍 ⇒ D12.9