【PTCAと冠動脈ステントとは?】
《経皮的冠動脈形成術(PTCA)》
先端に小さなバルーンがついたカテーテルを冠動脈まで通し、動脈硬化や血栓によって狭くなっている狭窄部位にバルーンに圧力をかけて膨らませ、狭窄部位を内側から広げる治療法です。成功率は90%ですが、3~4割が半年以内に再狭窄してしまいます。
《冠動脈ステント》
カテーテルのバルーン部に金属の網で出来たステントと呼ばれる筒をつけ、バルーンが膨らんだ際にはステントも広がって血管内を内側から補強する治療法です。半年以内の再狭窄は15%(非薬剤性溶出性ステント)です。
また再狭窄を防ぐ薬を塗った薬剤溶出性ステントを狭窄部に置くと、徐々に薬剤が血管に溶けだして再狭窄を防ぎます。半年以内の再狭窄率は5%程度です。
[主な非薬剤性溶出性ステント(BMS)]
Driver(ドライバー)、S-Stent(エスステント)、Liberte(リベルテ)、Vision(ヴィジョン)、Dula-flex(デュラフレックス)、Tsunami(ツナミ)
[主な薬剤溶出性ステント]
Cypher(サイファー)、TAXUS(タキサス)、Endeavor(エンデバー)、Resolute integrity(レソリュートインテグリティ)、PROMUS element(プロマスエレメント)、Xience Prime(ザイエンスプライム)、Nobori(ノボリ)
《経皮経冠動脈血栓溶解療法(PTCR)》
カテーテルを使って冠動脈内に直接血栓溶解剤を流し込み、血栓を溶かして血流を回復させる治療法です。急性心筋梗塞の治療に用いられます。
《薬剤コーテッドバルーン(Drug-Coated Balloon:DCB)/薬剤溶出性バルーン(Drug-Elution Balloon:DEB)》
バルーン表面に再狭窄を予防する効果のある薬が塗ってあり、バルーンを病変部で拡張することで、その薬が病変部に移行、再狭窄を予防する効果があります。薬剤コーテッドバルーンを使用することで、再度ステントを留置することなく治療が可能です。
[主なDCB/DEB]
SeQuent Please、IN.PACT Admiral
《大動脈内バルーンパイピング法(IABP)》
カテーテルにつけたバルーンの拡張・収縮によって心臓のポンプ機能を助け、冠動脈の血流を改善する治療法です。
〈ICD9-CM〉
血栓溶解剤を用いない、一枝のPTCA ⇒ 36.01
血栓溶解剤を用いる、一枝のPTCA ⇒ 36.02
血栓溶解剤の使用の有無にかかわらず、同一の手術の際に施行された、複数枝に対するPTCA ⇒ 36.05
詳細不明のPTCA ⇒ 36.01
非薬剤溶出性ステントの冠動脈内挿入術 ⇒ 36.06
薬剤溶出性ステントの冠動脈内挿入術 ⇒ 36.07
冠動脈内血栓溶解剤の注入(PTCR)⇒ 36.04
PTCA(DEB/DCB)⇒ 36.01(単枝)
PTCA(DEB/DCBを含む)⇒ 36.05(複枝)
拍出補助性バルーンの植え込み術(IABP)⇒ 37.61