心膜炎

 
やまねこ
心膜炎とは、心膜の炎症によって、過剰な心嚢炎が溜まってしまうことをいうニャ

【心膜炎とは?】

心臓の働きを守るために、二層になって心臓を包み込んでいるものを心膜といいます。通常はこの心膜の二層の間には隙間があり、心臓が動くときの摩擦の軽減のために少量の心嚢液が溜まってしまいます。心膜炎とは、心膜に炎症が生じることによって、過剰な心嚢炎が溜まってしまうことをいいます。

突然発症してしまうものを「急性心膜炎」、6カ月以上にわたって症状が続いているものを「慢性(収縮性)心膜炎」といいます。

【原因】

《急性心膜炎》

ウイルス感染によって心膜の炎症が引き起こされることがほとんどです。その他、結核、真菌などの感染をはじめ、外傷、関節リウマチなどの膠原病、自己免疫疾患、甲状腺機能低下症、薬物障害、尿毒症、腎不全などが原因になります。ただし現在は特発性(原因不明)が最も多いとされています。

《慢性(収縮性)心膜炎》

がんや甲状腺機能の低下が原因で発症することが多いのですが、急性心膜炎が慢性化することもあります。慢性(収縮性)心膜炎の場合は、心膜の炎症が進行した結果、心膜が癒着化や石灰化した状態となって硬くなり、心臓の拡張が困難となって心臓に流れ込む血液の量が減少してしまいます。

【分類】

病理組織学的には、心膜の反応により、線維素性、漿液繊維素性、血清、膿性などに分類されます。頻度としては、線維素性と漿液線維素性が圧倒的に多いです。

〈ICD分類〉

リウマチ性心膜炎(急性)⇒ I01.0

急性非特異性特発性心膜炎 ⇒ I30.0

感染性心膜炎 ⇒ I30.1

その他の急性心膜炎 ⇒ I30.8

急性心膜炎NOS ⇒ I30.9

慢性癒着性心膜炎 ⇒ I31.0

慢性収縮性心膜炎 ⇒ I31.1

慢性心膜炎NOS ⇒ I31.9