縦隔とは臓器ではなく、空間のことを意味するニャ
【縦隔腫瘍とは?】
縦隔とは、胸の中心にある左右の肺の間にある空間を指します。胸腺、心臓、大血管、食道、気管などの重要な臓器が含まれます。縦隔腫瘍とは、それらの臓器に由来して出来る腫瘍のことをいいます。縦隔は、上縦隔、前縦隔、中縦隔、後縦隔の4つの区画に分けられます。
《それぞれの区画ごとに出来やすい腫瘍》
上縦隔:甲状腺腫など
前縦隔:胸腺腫、胸腺がん、胸腺のう胞、奇形腫、胚細胞腫瘍など
中縦隔:悪性リンパ腫、心膜のう胞、気管支のう胞など
後縦隔:神経鞘腫など
※縦隔腫瘍で発生頻度が最も多いものは、胸腺腫です。
《良性、悪性の区分》
悪性腫瘍:胸腺がん、胸腺カルチノイド、奇形腫以外の胚細胞腫瘍、リンパ腫など
中間悪性度腫瘍(低悪性腫瘍):胸腺腫(がんではないものの、転移や隣接臓器への浸潤を示すことがあります)
良性腫瘍:神経原性腫瘍や甲状腺腫は多くが良性腫瘍ですが、まれに悪性のものがみられます。胸腺嚢胞、気管支嚢胞、心膜嚢胞などの嚢胞性病変は、良性疾患です。
〈ICD分類〉
良性縦隔腫瘍NOS ⇒ D15.2
良性後縦隔腫瘍 ⇒ D15.2
良性前縦隔腫瘍 ⇒ D15.2
性状不明の縦隔腫瘍NOS ⇒ D38.3
性状不明の後縦隔腫瘍 ⇒ D38.3
性状不明の前縦隔腫瘍 ⇒ D38.3
原発性縦隔腫瘍NOS ⇒ C38.2
原発性後縦隔腫瘍 ⇒ C38.2
原発性前縦隔腫瘍 ⇒ C38.1
続発性縦隔腫瘍 ⇒ C78.1