【心臓カテーテル検査とは?】
心臓に栄養を供給する血管を冠動脈といいます。冠動脈には、左冠動脈(LCA)と右冠動脈(RCA)の2本の血管があります。そのうち左冠動脈(LCA)は、さらに左前下行枝(LAD)と左回旋枝(LCX)という2本の血管に分かれています。これらの太い動脈は心臓の外側を包み込むように走行し、枝分かれしていきます。狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は、この冠動脈の「狭窄」や「閉塞」が原因で起こり、心臓カテーテル検査とはその「狭窄」や「閉塞」を調べるための検査です。
【心臓カテーテル検査の種類】
心臓カテーテル検査には大きく分けて「右心カテーテル検査」と「左心カテーテル検査」があります。
《右心カテーテル検査》
右心系(右心房+右心室+肺動脈)で行われるカテーテル検査です。大腿静脈、内頸静脈、正肘静脈からカテーテルを挿入し、心臓や心臓付近の圧測定を行ったり、心臓から送り出される血液の量を測定したりします。さらに心筋症のような心臓の筋肉細胞の病気の有無や程度の診断をするために心筋生検が行われることもあります。
頻繁に行われている右心カテ ⇒ スワンガンツ、右室造影(RVG)
※スワンガンツ・・・右心系内の血圧を測定したり、心拍出量を測定する検査の俗称。
《左心カテーテル検査》
左心系(左心房+左心室+大動脈+冠動脈)で行われる心臓カテーテル検査です。大腿動脈、橈骨動脈、上腕動脈にカテーテルを挿入し、大動脈、左心室などの圧測定や造影、冠動脈の造影も行います。
冠動脈造影検査(CAG)と左室造影検査(LVG)の2つに大きく分けられます。
※冠動脈造影検査(CAG)・・・冠動脈へ造影剤という血管をより鮮明に映し出す薬を投与しながらX線撮影を行うことにより冠動脈の狭窄や閉塞の有無を調べる。
《両心カテーテル検査》
右心カテーテルと左心カテーテルを同時に行う心臓カテーテル検査です。具体的には、スワンガンツ、右室造影(RVG)、冠動脈検査(CAG)、左室造影検査(LVG)を一度の検査で全部やってしまうような検査のことをいいます。
〈ICD9-CM分類〉
右心カテーテル検査 ⇒ 37.21
心臓カテーテル検査NOS ⇒ 37.21
左心カテーテル検査 ⇒ 37.22
両心カテーテル検査 ⇒ 37.23
一本のカテーテルを使用した冠動脈造影 ⇒ 88.55
二本のカテーテルを使用した冠動脈造影 ⇒ 88.56