深部静脈血栓症(DVT)

 
やまねこ
DVTによって出来た血栓は、肺塞栓症の原因になるニャ

【深部静脈血栓症(DVT)とは?】

深部静脈血栓症(DVT)とは、主に下肢(通常はふくらはぎや大腿部)もしくは骨盤の深部静脈(表在静脈と違い、深いところにある静脈)で血液が凝固し、血栓が出来て血管が詰まる病気です。

無症状の場合もありますが、血栓のある場所によっては、命に係わる可能性もあります。また深部静脈血栓症(DVT)は上肢に生じることは少なく、ほとんどが下肢に生じます。膝裏や大腸の付け根に血栓が出来る場合は、血栓が肺などへ飛んでいき、肺塞栓症を引き起こす可能性が高くなるので、緊急に検査や治療が必要となります。

また深部静脈血栓症とよく似た症状の病気にベーカー(膝窩)嚢腫の破裂があります。

《下肢における深部静脈血栓症(DVT)の分類》

中枢型(近位型)膝から腸骨まで

末梢型(遠位型。下腿型)膝から足首まで

【原因】

《下肢》

・寝たきりや術後の患者のなどにおける、静脈還流(血液が静脈通って心臓に戻ること)。

・骨折などによる損傷、または機能不全。

・がんなどによる血液凝固亢進状態(血液が固まりやすくなる状態)。

《上肢》

・中心静脈カテーテルやペースメーカーなどの留置または薬物注射などによる損傷。

【治療】

《急性期》

・ヘパリン静注

・ワーファリン内服

・新規経口抗凝固薬(NOAC:リクシアナ、イグザレルト、エリキューズ)内服

・血栓の場所や程度によっては、下大静脈フィルターや血栓溶解術

《慢性期》

・再発予防のためのワーファリン、新規経口抗凝固薬(NOAC)

〈ICD分類〉

深部静脈血栓症(DVT)⇒ I80.2

上肢上脈血栓 ⇒ I82.8