【過敏性腸症候群(IBS)とは?】
大腸に腫瘍や炎症などの病気がないことを前提に、おなかの痛みで調子が悪く、下痢や便秘などの異常が数カ月以上続く病態です。
《過敏性腸症候群(IBS)の診断基準(ローマⅢ基準)》
最近三カ月以内に、月に三日以上に渡っておなかの痛みや不快感が存在し、それらの症状が以下の三つのうち二つ以上伴うこと。
ⅰ)症状が排便により軽快する。
ⅱ)症状とともに排便の回数が増えたり減ったりする。
ⅲ)症状とともに便の形状が柔らかくなったり、硬くなったりする。
【過敏性腸症候群(IBS)の原因】
過敏性腸症候群(IBS)の原因は、ストレスだけでなく、食生活や睡眠などの生活のリズムの乱れもあり、それらが腸の症状に大きく影響していると思われます。ただし過敏性腸症候群(IBS)の根本的な原因はわかっていません。細菌やウイルスによる感染性腸炎にかかった場合、回復後に過敏性腸症候群(IBS)になりやすいといわれています。
【過敏性腸症候群(IBS)の分類】
過敏性腸症候群(IBS)は便の形状によって、「便秘型」、「下痢型」、便秘と下痢を繰り返す「混合型」、そしてどれにも分類されない「分類不能型」の四つにわけられます。
便秘型:硬便または兎糞状便が25%以上、軟便または水様便が25%未満
下痢型:軟便または水様便が25%以上、硬便または兎糞状便が25%未満
混合型:硬便または兎糞状便が25%以上、軟便または水様便も25%以上
分類不能型:便性状異常が上記のいずれも満たさないもの
〈ICD分類〉
下痢型過敏性腸症候群(IBS)⇒ K58.0
混合型過敏性腸症候群(IBS)⇒ K58.0
便秘型過敏性腸症候群(IBS)⇒ K58.9
分類不能型過敏性腸症候群(IBS)⇒ K58.9
過敏性腸症候群(IBS)⇒ K58.9