膿痂疹(とびひ)

 
やまねこ
とびひは触ると人にうつるから注意だニャ

【膿痂疹(とびひ)とは?】

膿痂疹とは、とびひとも呼ばれ、皮膚に細菌が感染することで起こる皮膚疾患です。湿疹や虫刺されなどを搔き壊した患部に細菌が感染し、そこから飛び火するように全身に広がります。触ると人にうつります。

原因菌となるのは、主に黄色ブドウ球菌溶血性連鎖球菌です。これらは生活をする上でどこにでもいる常在菌です。

【膿痂疹(とびひ)の分類】

膿痂疹(とびひ)には、水膨れが出来る水疱性膿痂疹と、かさぶたが出来る痂疲性膿痂疹の二つの分類に分かれます。

〈水疱性膿痂疹〉

主な原因菌は、黄色ブドウ球菌です。赤み、かゆみを伴う水膨れが出来た後に、それが破れてただれ(びらん)が起こります。水膨れの中身を触った手で別の部位を触ることで病変があちこちに広がります。乳幼児によくみられます。

まれにですが、黄色ブドウ球菌が産生する表皮剥脱毒素と呼ばれる毒素が血液中に入り込み、ブドウ球菌熱傷様皮膚症候群(SSSS)に進展することがあります。

〈痂疲性膿痂疹〉

主な原因菌は、A群β溶血性連鎖球菌です。赤みから始まり小さな膿疱が多数出来て、それが破れてただれ、厚いかさぶたが出来ます。のどの痛みや発熱、リンパ節の腫れなどの症状が出ることもあり、人から人にうつるため年齢を問いません。

【治療】

ムピロシン、レタパムリン、フシジン酸、オゼノキサシンなどの外用薬が中心となります。ときに抗菌薬を内服する場合もあります。

〈ICD分類〉

膿痂疹(とびひ)[各病原体] ⇒ L01.0

そのほかの皮膚疾患の膿痂疹化 ⇒ L01.1