やまねこ
今、おしりが痛い人も必見だニャ

【肛門の構造】

肛門は、自分の意思でコントロールが出来ない「内肛門括約筋」と、コントロールが出来る「外肛門括約筋」の二つの筋肉で囲まれています。普段は閉じられていますが、排便の際には、これらの筋肉が緩んで開く仕組みになっています。

【痔の原因】

排便の際に強くいきんだり、長時間座りっぱなしでいることなどによって肛門に負担がかかることで痔が発生すると言われています。

【痔の種類】

痔は大きく「痔核(いぼ痔)」「裂肛(きれ痔)」「痔瘻(あな痔)」の三種類に分けられます。「痔核(いぼ痔)」はさらに「内痔核」「外痔核」の二つに分けられます。

痔核(いぼ痔)が男女ともに大半を占め、痔瘻(あな痔)は痔全体の中では少ない傾向にありますが、手術が必要になります。

《内痔核(いぼ痔)》

内痔核とは、直腸、肛門部に「うっ血による腫瘤(しこり)」が出来たものです。排便時の痛みや出血、進行すると脱出(脱肛)します。

内痔核は四段階(ゴリガー分類)に分類されます。加えて、特別な状態の内痔核として嵌頓痔核があります。

ゴリガー分類

Ⅰ度出血などが主な症状で肛門の外に脱出しない。

Ⅱ度排便時に脱出するが、排便後自然に戻る。

Ⅲ度脱出後、手で押し込まないと戻らない。

Ⅳ度排便と無関係に常時脱出している。

嵌頓痔核

内痔核が腫れあがり、脱出したままの状態のものです。無理な排便などで突然起こり、激しく痛みます。

治療法

硬化療法:内痔核Ⅱ度以上が対象です。内痔核周囲に硬化剤を注射し(ジオン注射など)、固めてしまうことによって、縮小・退縮させてしまう方法です。

ゴム輪結紮療法痔核が悪化し、肛門から脱出するようになった時の治療法です。ゴム輪結紮器という特殊な器具を使って、内痔核の根元に小さな輪ゴムをはめ込みます。輪ゴムは徐々にその根本を締め付けていき、1~2週間後には痔核がとれます。

結紮切除法(半閉鎖法)内痔核Ⅲ度以上の場合に適応となります。痔核に流れ込む動脈を糸で縛って血流を遮断し、痔核を切除するものです。

《外痔核(いぼ痔)》

外痔核とは、長時間の立ちっぱなし、座りっぱなしなどで、肛門の縁の血管が破けて、肛門外縁に「決戦による腫瘤(しこり)」が出来たものです。

《裂肛(きれ痔)》

硬い便や下痢便を繰り返すことによって肛門に破傷を起こしてしまった状態です。背中側に出来やすく、その部分は血行が悪いために治りにくいです。痛みが強く、痛みのために排便を我慢することで便秘になり、さらに傷が慢性化すると肛門潰瘍となって肛門が狭くなってしまいます。

《痔瘻》

肛門小窩に感染が起こり、肛門周囲膿瘍となり、膿が排出され、肛門の奥と外に交通(痔孔、痔管)が出来た状態です。

〈ICD分類〉

第1度痔核 ⇒ K64.0

第2度痔核 ⇒ K64.1

脱出性痔核 ⇒ K64.1

第3度痔核 ⇒ K64.2

第4度痔核 ⇒ K64.3

嵌頓痔核 ⇒ K64.3

血栓性痔核 ⇒ K64.5

潰瘍性痔核 ⇒ K64.8

外痔核 ⇒ K64.9

内痔核 ⇒ K64.9

痔核NOS  ⇒ K64.9

急性裂肛 ⇒ K60.0

慢性裂肛 ⇒ K60.1

裂肛NOS ⇒ K60.2

痔瘻 ⇒ K60.3

外痔瘻 ⇒ K60.3

内痔瘻 ⇒ K60.3

直腸瘻 ⇒ K60.4

肛門直腸痔瘻 ⇒ K60.5

〈ICD9-CM〉

痔硬化療法 ⇒ 49.42

痔結紮術 ⇒ 49.45

ミリガン・モーガン術 ⇒ 49.45

痔核切除 ⇒ 49.46

血栓性痔核の除去 ⇒ 49.47

肛門の裂創の縫合 ⇒ 49.71

痔瘻の閉鎖 ⇒ 49.73