様々な電解質異常④ カルシウム(Ca)

 
やまねこ
カルシウムたっぷりの牛乳飲んで、骨を強くするニャ

カルシウム:体のカルシウムの99%は骨に蓄えられていますが、細胞(特に筋肉細胞)や血液中にもあります。カルシウムは、骨と歯の形成、筋収縮、多くの酵素の正常な作用、血液の凝固、正常な心拍の維持などの働きに不可欠です。

体は細胞内や血液中のカルシウムの量を正確に管理しています。カルシウムは必要に応じて骨から血液に移動します。充分なカルシウムを摂取していないと、骨のカルシウムが大量に代謝されて骨が弱くなり、骨粗鬆症になることがあります。血液中のカルシウム濃度は、主に副甲状腺ホルモンとカルシトニンという二つのホルモンによって調節されています。

[副甲状腺ホルモン]

首の甲状腺の周りにある四つの副甲状腺で作られます。血液中のカルシウム濃度が下がると、副甲状腺が作るホルモンの量が増えます。反対に、血液中のカルシウム濃度が下がると、副甲状腺が作るホルモンは少なくなります

≪低カルシウム血症≫

血液中のカルシウム濃度が非常に小さくなった状態です。血液中のカルシウムの約40%は、血液中で主にアルブミンというタンパク質に結合しています。タンパク質と結合したカルシウムは保存用で、体内で積極的な機能はありません。結合していないカルシウムだけが体の機能に影響を及ぼしています。したがって、低カルシウム血症は結合していないカルシウムの濃度が低下したときのみ発生します。

低カルシウム血症の原因は、尿中に多量のカルシウムが排出された場合や骨から血液中に流入するカルシウムの量が不十分な場合に発生します(副甲状腺機能低下症など)。

≪高カルシウム血症≫

血液中のカルシウム濃度が非常に高くなった状態です。カルシウム濃度の上昇は、副甲状腺の問題(副甲状腺亢進症など)や、食事、癌、骨に影響を及ぼす疾患が原因で発生します。

〈ICD分類〉

低カルシウム血症 ⇒ E83.5

高カルシウム血症 ⇒ E83.5