エプスタイン奇形は、三尖弁の先天的な奇形だニャ
【エプスタイン奇形とは?】
通常、右房と右室の間にある三尖弁の付着位置が右室側に落ち込んでいる先天性の奇形です。三尖弁機能の異常や右心室のポンプ機能の異常をきたします。また心房中隔欠損を合併しているとチアノーゼをきたします。WPW症候群を合併していることも多いです。
《分類》
新生児重症型:三尖弁の逆流がひどく右心室のポンプ機能が維持されません。右心房が著明に拡大し、肺を圧迫して呼吸の状態も悪化し、チアノーゼをきたします。
単純型:三尖弁の落ち込みはあっても、右心室のポンプ機能は維持されます。心房中隔欠損を合併しているとチアノーゼをきたします。
【治療法】
新生児重症型:先天性心疾患の中でも究明が最も困難だと言われています。三尖弁の入り口を閉じるスターンズ手術により救命例が報告されるようになってきました。最終的にフォンタン手術を行えばチアノーゼのない状態になります。
単純型:無症状の場合は、経過観察のみのことも多いです。チアノーゼがある場合は、外科手術の適応となります。
〈ICD分類〉
エプスタイン奇形 ⇒ Q22.5
〈ICD9-CM〉
三尖弁形成術 ⇒ 35.14
三尖弁置換術 ⇒ 35.28
フォンタン手術 ⇒ 35.94