肝臓がんの治療法

 
やまねこ
肝臓がんはステージによって適切な治療法を選択することが大事だニャ

【各ステージに対応する治療法】

ステージ1手術(部分切除、左右一方の葉切除)、エタノール注入療法、肝動脈塞栓法

ステージ2手術(部分切除、左右一方の葉切除)、エタノール注入療法、肝動脈塞栓法

ステージ3原則として手術は対象外、エタノール注入療法、肝動脈塞栓法、化学療法、放射線治療、肝移植

ステージ4対処療法、緩和療法

【外科手術】

肝臓は再生能力が高いため、肝炎や肝硬変がない場合、肝臓全体の4分の3まで切除が可能と言われています。しかしあまり大きく切除した場合、肝機能が低下し、生命の維持が困難になってしまいますので、切除範囲は慎重に決定される必要があります。

手術はステージ2までが対象であり、それより進行した場合は対象外となります。

《肝臓切除術》

肝臓切除術は、切除する量によってそれぞれ名前がつけられています。少ない順から、肝核出術、肝部分切除術、肝亜区域切除術、肝区域切除術、肝葉切除術、拡大肝葉切除術と呼ばれています

【局所療法】

肝動脈塞栓法(TAE)足の付け根から肝動脈までカテーテルを入れ、そこから血管に塞栓物質を詰めて血流を止め、がん細胞を殺す方法です。塞栓物質として抗がん剤を入れる場合は、肝動脈化学塞栓療法(TACE)と呼ばれます。

肝動注療法(TAI)肝機能が悪い場合には動脈塞栓のみでも肝不全に進行することがあります。そうした場合に、抗がん剤だけを肝動脈に注入する方法です。

エタノール注入療法(PEIT)腹部または胸部から針を刺して、患部にエタノール(純粋アルコール)を注入し、がんを凝固させて死滅させる方法です。

マイクロ波焼灼療法(MCT)電極を腫瘍に差し込み、マイクロ波によってがん細胞を凝固させて死滅させる方法です。

ラジオ波焼灼療法(RFA)マイクロ波焼灼療法と同じように電極を腫瘍に差し込み、ラジオ波によってがん細胞を凝固させて死滅させる方法です。

【薬物療法】

ソラフェニブ療法手術やラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓療法の対象とならない多発がんや肝臓外への転移がある場合に対象となる、内服薬による標準的な薬物療法です。

レンバチニブ療法ソラフェニブと同様に、手術やラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓療法の対象とならない多発がんや肝臓外への転移がある場合に対象となる薬物療法です。2018年に保険承認されました。

レゴラフェニブ療法ソラフェニブが効かなくなった肝細胞がんに対する二次治療として、2017年に保険承認された内服薬による治療です。

ラムシルマブ療法腫瘍マーカーである血清AFP値が400ng/ml以上の肝細胞がんに対する二次治療として、2019年に保険承認された注射剤による治療です。

〈ICD9-CM〉

肝部分切除術 ⇒ 50.22

肝区域切除術 ⇒ 50.22

肝核出術 ⇒ 50.29

肝葉切除術 ⇒ 50.3

拡大肝葉切除術 ⇒ 50.3

肝全切除術 ⇒ 50.4

肝移植術 ⇒ 50.59

部分肝移植術 ⇒ 50.59