日単位で急激に炎症が進行するものが急性糸球体腎炎です。適切な治療をすれば完治します。
数週から数カ月で腎不全が進行し、末期腎不全に至るのが急速進行性糸球体腎炎です。
1年以上にわたり、徐々に病態が進行するものが慢性糸球体腎炎です。
【急性糸球体腎炎とは?】
糸球体の炎症によって、蛋白尿や血尿が出る病気を総称して糸球体腎炎と呼びます。溶血性連鎖球菌などの細菌による扁桃や皮膚の炎症が治ってから、1~2週間後に血尿や蛋白嚢、むくみ、高血圧などが出現します。全身倦怠などの症状が出る場合もあります。
一般的に4~10歳くらいまでの子どもが罹患しやすく、晩秋から寒冷期にかけて多く発症する病気ですが、時折成人や高齢者でも見られます。
ほかの腎臓病と違って、ほとんどの場合、完全に治ります。
【急速進行性糸球体腎炎とは?】
数週から数カ月で腎不全が進行し、大半の糸球体が破壊された結果、末期腎不全に至る怖い病気です。
根本的な原因は不明ですが、何らかの免疫学的な異常が示唆されています。
日本では、急速進行性糸球体腎炎を罹患する患者は中高年に多く、特に高齢者に増加が見られます。
腎臓の一部を採って調べる腎生検を受ける必要があります。早期治療がもっとも大切な病気です。
【慢性糸球体腎炎とは?】
慢性糸球体腎炎とは、急性発症(急性糸球体腎炎)に引き続くか、蛋白尿もしくは血尿が偶然発見され、少なくとも1年以上にわたり持続する病態とされています。
慢性糸球体腎炎は一つの病気ではなく、様々な病気の総称です。
病因に関する詳細はいまだにわかっておりませんが、免疫複合体が糸球体へ沈着することによる、免疫学的な仕組みにより引き起こされる場合が多いとされています。
〈ICD分類〉
急性糸球体腎炎 ⇒ N00.0-9
急速進行性糸球体腎炎 ⇒ N01.0-9
慢性糸球体腎炎 ⇒ N03.0-9