糖尿病の合併症は、そもそも急性か慢性か、細小血管障害か大血管障害かで大きく分かれるニャ
【急性合併症と慢性合併症】
糖尿病の合併症は、一般的に急性合併症と慢性合併症に大別されます。
ⅰ)急性合併症:代表例として糖尿病性昏睡や急性感染症があげられます。これらはインスリン療法の進歩により、発症とその予後は著しく改善されています。
ⅱ)慢性合併症:慢性合併症は、成因やその病態から血管障害合併とその他の合併症に分けられます。さらに血管障害は、細小血管障害と大血管障害(動脈硬化性血管障害)とに分けられます。
【細小血管障害と大血管障害】
ⅰ)細小血管障害:細小血管障害は、細小血管(毛細血管)の病変から始まる病態で、糖尿病に特徴的な合併症です。代表的な例は、網膜症、腎症、神経障害で、これらを糖尿病三大合併症と呼びます。
ⅱ)大血管障害:大血管障害は、動脈硬化に由来する合併症で、糖尿病に特異的とはいえず、糖尿病自体が危険因子となり、高血圧や脂質異常症、肥満、喫煙などの他の危険因子と絡み合って、糖尿病の罹病経過とは無関係に発症してきます。
【分類まとめ】
[急性合併症]
≪糖尿病昏睡≫
ⅰ)糖尿病性ケトアシドーシス昏睡
ⅱ)糖尿病性高血糖高浸透圧症候群(非ケトン性高浸透圧性昏迷)
ⅲ)乳酸アシドーシス
ⅳ)低血糖性昏迷
≪急性感染症≫
[慢性合併症]
≪細小血管障害≫
ⅰ)糖尿病網膜症
ⅱ)糖尿病腎症
ⅲ)糖尿病神経障害
≪大血管障害≫
ⅰ)脳血管障害
ⅱ)虚血性心疾患
ⅲ)糖尿病性壊疽
≪その他≫
脂質異常症、慢性感染症、胆石症、白内障など