膵臓がんの治療法

 
やまねこ
がんの患部や進行度によって治療方法が変わってくるニャ

【外科的治療】

《幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)・亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)》

膵頭部にがんがある場合は、十二指腸、胆管、胆のうを含めて膵頭部を切除します。がんの浸潤具合によっては、胃の一部や血管の一部を切除することもあります。切除後は、残った膵臓を小腸につなぎ合わせ、膵液が小腸に流れるようにします。

これまでは、胃の2/3の切除を伴う膵頭十二指腸切除術(PD)が広く行われてきましたが、最近では出来るだけ切除する範囲を少なくするPPPDやSSPPDに変わりつつあります。

《膵体尾部切除術》

膵体尾部がんの場合は、膵臓の体部と尾部を切除します。消化管の再建術は必要ありません。

《膵全摘術

がんが膵臓全体に及ぶ場合は、膵臓全摘術を行います。インスリンや消化酵素の分泌という膵臓の機能が失われることになるので、これらを補う治療を続ける必要があります。

【化学療法】

《術前補助化学療法・術後補助化学療法》

手術の前後に化学療法を受けると、再発しにくくなります。一般的に以下の薬を用います。

・デガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(TS-1:ティーエスワン)

・ゲムシタビン

《手術不可の場合の化学療法》

延命及び症状を和らげるために行います。一般医以下の薬を用います。

・ゲムシタビン単剤治療

・デガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(TS-1:ティーエスワン)

・FOLFIRINOX療法(フルオロウラシル[5-FU]+レボホリナートカルシウム+イリノテカン+オキサリプラチン)

・GnP療法(ゲムシタビン+ナブパクリタキセル(アブラキサン)併用療法)

《進行・再発した場合の化学療法》

化学療法後に進行・再発した場合には、それまでの治療で使っていない他の薬で治療します。

・ペムブロリスマブ(キイトルーダ):免疫チェックポイント阻害薬

・エヌトレクチニブ:分子標的薬

《膵神経内分泌腫瘍に対する化学療法》

膵神経内分泌腫瘍の高分化型に関しては、エベロリムスやスニチニブなどの分子標的薬、ストレプトゾシンなどの細胞障害性抗がん剤が用いられます。また膵神経内分泌がんに対しては、イリノテカン・シスプラチン(IP)療法もしくはエトポシド・シスプラチン(EP)療法が選択されます。

〈ICD9-CM〉

幽門輪温存膵頭十二指腸切除術 ⇒ 52.51

亜全胃温存膵頭十二指腸切除術 ⇒ 51.51

膵体尾部切除術 ⇒ 52.52

根治的膵亜全体切除術 ⇒ 52.53

膵全摘術 ⇒ 52.6