アブレーション

 
やまねこ
不整脈の種類によって、アブレーションをする場所は違うニャ

【アブレーションとは?】

心臓の電気の乱れによって動悸などの不快な症状を引き起こす言葉の総称を不整脈といいます。不整脈は20種類以上もあり、それぞれ危険度や治療のしにくさが異なりますが、50%以上は「リエントリー」と呼ばれる異常な電気回路によって電気が「クルクル」と一カ所で旋回してしまうことで発生します。

カテーテルアブレーションは不整脈の原因となる異常な電気回路をカテーテルの先端から流す高周波により組織を凝固せしめることで不整脈を根治します。

【アブレーションの対象となる不整脈】

《心房細動》

心房にある肺静脈から出る電気信号が不整脈を起こしていると考えられており、ここを焼灼することで根治が可能。そのほか例外的に様々な部位が関係している場合もあります。

※発作性心房細動に対しては、拡大肺静脈隔離術(PVI)のみでも非常に有効ですが、持続性、慢性心房細動に対してはPVIだけでは限界があるため、心房内内線状焼灼法を加えます。具体的には、左右の上肺静脈をつなぐ左房天蓋部ライン、左肺静脈と僧帽弁輪をつなぐ僧帽弁峡部ライン(LKI)、心房粗動の焼灼法として知られる下大静脈三尖弁輪間峡部ライン(CTI)などを焼灼します。これらを併用することにより、持続性、慢性心房細動でも治療成績が改善されることが確認されています。

《心房粗動》

右心房の三尖弁輪周囲を旋回するリエントリーを機序とします。この回路を横断するように三尖弁輪と下大静脈を結ぶように線状にアブレーションし、伝導をブロックすることで根治可能です。

《発作性上室頻拍、房室結節回帰性頻拍、房室回帰性頻拍》

異常伝導路に対してアブレーションを施行します。

《WPW症候群》

正常な房室結節に加え、異常な副伝導路が存在する疾患です。副伝導路をアブレーションします。

《心房頻拍》

異常興奮を生じる局所あるいは旋回回路を遮断する部位にアブレーションを施行します。

《心室頻拍》

右室・左室流出路あるいは左室の刺激伝導系から生じる興奮の起源部位にアブレーションを施行します。

〈ICD9-CM〉

カテーテルアブレーション ⇒ 37.34