急性肺血栓塞栓症は俗にエコノミークラス症候群と呼ぶニャ。また急性肺動脈血栓症は、深部静脈血栓と合わせて静脈血栓塞栓症と呼ぶこともあるニャ
【肺塞栓症とは? 呼び名の分類】
心臓から肺に血液を送る肺動脈が、塞栓子と呼ばれる物質によって詰まってしまうことを「肺塞栓症」といいます。
塞栓子となる物質は色々とありますが、そのうちほとんどが血栓(血の塊)です。
血栓が原因の肺塞栓症のことを「肺血栓塞栓症」といいます。
肺血栓塞栓症の原因としては、足の静脈に出来た血栓(深部静脈血栓)が肺に運ばれた結果、肺動脈を詰まらせることが多いです。特に、飛行機のエコノミークラスに長時間座ることで血栓が出来やすいことから、急性肺血栓塞栓症を俗に「エコノミークラス症候群」と呼ぶこともあります。
また「深部静脈血栓」と「急性肺動脈血栓症」は、一つの病気の異なった二つの側面を見ているとされ、最近ではまとめて「静脈血栓塞栓症」と呼ぶことも多くなっています。
また重篤な肺塞栓症が原因で、肺の血液の流れが悪くなり、右室に負担がかかって、右室が大きくなったり(右室拡大)、右心室の働きが悪くなった状態(右心不全)になることがあります。これは「肺性心」といいます。
【原因】
・カテーテル検査や手術などで静脈の壁が傷ついた場合。
・寝たきりや長時間による着席などによって、静脈の流れが澱む場合。
・そもそも血液が固まりやすい体質である場合。
【治療】
・抗凝固療法:ヘパリン、ワーファリン
・血栓溶解療法:組織プラスミノーゲン・アクチベーター(t-PA)
・カテーテル治療、肺動脈血栓摘除術
・下大静脈フィルター
〈ICD分類〉
急性肺性心 ⇒ I26.0
肺塞栓症 ⇒ I26.9
肺血栓塞栓症 ⇒ I26.9
〈ICD9-CM〉
肺動脈血栓摘除術 ⇒ 38.05
下大静脈フィルター留置 ⇒ 38.7