褥瘡

 
やまねこ
褥瘡は、要件次第では褥瘡マネジメント加算として算定も出来るので重要だニャ

【褥瘡とは?】

褥瘡とは、一般的に床ずれと呼ばれる疾患で、寝たきり状態や車いす生活などをきっかけとして皮膚の血流が滞ってしまうことで生じる皮膚の病変のことをいいます。症状としては、皮膚の赤みが水膨れに始まり、さらに褥瘡が深い状態に進行すると、皮下組織や筋肉にも病変が広がり、しまいには潰瘍や細菌感染を生じて壊死してしまうこともあります。好発部位は、圧迫を受けやすいお尻や腰骨周囲、踵、肘などになります。

【潰瘍発生のメカニズム】

褥瘡は、単なる阻血にとどまらず、4つの機序(①阻血性障害②再灌流障害③リンパ系機能障害④細胞・組織の機械的変形)が複合的に関与するものと考えられています。阻血障害では、外力によって微小血管が閉塞して組織が阻血壊死に陥ります。そして、一度途絶した血流が再開したときに、生体炎症反応が起こり、組織が障害される再灌流障害が起こります。

【褥瘡の分類】

ステージ1(消退しない発赤)通常、骨突出部に限局された領域に消退しない発赤をともなう損傷のない皮膚。

ステージ2(部位欠損)黄色壊死組織(スラフ)を伴わず、創底が薄赤色の浅い潰瘍kとして現れる真皮の部分欠損をした皮膚。

ステージ3(全層皮膚欠損)皮膚脂肪は視認出来るが、骨、腱、筋肉は露出していない状態。組織欠損の深度がわからなくなるほどではないが、黄色壊死組織(スラフ)が付着していることがある。

ステージ4(全層組織欠損)骨、腱、筋肉の露出を伴う全層組織欠損。黄色壊死組織(スラフ)または黒色壊死組織(エスカー)が付着していることがある。

分離不能(皮膚または組織の全層欠損、深さ不明)創底にスラフ(黄色、黄褐色、灰色、緑色または茶色)やエスカー(黄褐色、茶色または黒色)が付着し、潰瘍の実際の深さがまったくわからなくなっている全層組織欠損の状態。

深部組織損傷疑い、深さ不明圧力か剪断力によって生じた皮膚軟部組織が損傷に起因する、限局性の紫色または栗色の皮膚変色または血疱の状態。

【褥瘡の治療】

除圧注意深い体位変換、保護具、および体圧分散用具の使用により達成されます。

直接的な損傷ケア適切な損傷ケアとして、洗浄、デブリードマン、およびドレッシングが行われます。

疼痛管理疼痛スケールを用いて定期的に疼痛をモニタリングします。

感染制御紅斑の増大、悪臭、熱感、排膿、発熱、白血球増加など、細菌感染の兆候を検出するための評価を継続的に行います。

栄養必要量の評価低栄養状態は治癒遷延の危険因子になるので注意します。

手術:大きな組織欠損、特に筋骨格が露出しているものには、外科的な閉鎖が必要となります。

〈ICD分類〉

褥瘡・ステージⅠ ⇒ L89.0

褥瘡・ステージⅡ ⇒ L89.1

褥瘡・ステージⅢ ⇒ L89.2

褥瘡・ステージⅣ ⇒ L89.3

ギプス性潰瘍 ⇒ L89.9

圧迫性潰瘍 ⇒ L89.9

褥瘡・DTI ⇒ L89.9

褥瘡NOS ⇒ L89.9