腹部大動脈瘤

 
やまねこ
腹部大動脈瘤は腸骨動脈が連続して瘤になることも多いニャ

【腹部大動脈とは?】

大動脈は、心臓から送り出された血液が通る人体の中で最も太い血管です。

心臓から出てきた胸部大動脈が横隔膜を貫くと腹部大動脈と名前を変えます。腹部大動脈は、肝臓・腎・脾臓といった内臓、腸、二つの腎臓への四本の血管が枝分かれした後で、臍のあたりで左右に分かれて骨盤から足に向かいます。

【腹部大動脈瘤とは?】

腹部大動脈瘤とは、通常は20mm程度の大動脈が30mm以上に膨らんだ状態です。多くの場合は、腎臓に向かう血管から左右に分かれる大動脈分岐部までに出来ます。さらに骨盤に向かう腸骨動脈が連続して瘤になることも多く見られます。原因の多くは動脈硬化です。胸部大動脈瘤と同じく、自覚症状はほとんどありませんが、大動脈瘤が大きくなると破裂して致命的な状態になります。

【腹部大動脈瘤の治療法】

高血圧の薬物治療により大動脈瘤の拡大を遅くすることが出来る可能性はありますが、残念ながら大動脈瘤を治すことが出来る薬物はありません。

破裂をする前に手術をすることが重要です。

大動脈瘤の手術方法は、「人工血管置換術」「ステントグラフト内挿術」の二つがあります。

《人工血管置換術》

腹部大動脈瘤を人工血管に置き換える手術です。直径14~22mmのストレート型または半分くらいの2本の脚に枝分かれしたY字型の人工血管を使用します。

《ステントグラフト内挿術》

ステントといわれるバネ状の金属を取り付けた人工血管を、カテーテルの中に収納して大動脈内に挿入し、大動脈瘤の前後を含めた大動脈内に展開します。拡大が防止されるので破裂する危険性はほとんどなくなります。

〈ICD分類〉

腹部大動脈瘤、破裂性 ⇒ I71.3

腹部大動脈瘤、破裂の記載がないもの ⇒ I71.4

胸腹部大動脈瘤、破裂性 ⇒ I71.5

胸腹部大動脈瘤、破裂の記載がないもの ⇒ I71.6

部位不明の大動脈瘤、破裂性 ⇒ I71.8

部位不明の大動脈瘤、破裂の記載がないもの ⇒ I71.9

〈ICD-9CM〉

置換を伴う血管切除、腹部の血管 ⇒ 38.44

腹部大動脈の血管内へのグラフト内挿術 ⇒ 39.71