【心臓に関する病気】
●高血圧のために心筋が厚くなる「心肥大」:高血圧では、心臓が強い力で血液を送り出しているため、心臓の壁が厚くなってしまいます。これを「心肥大」といいます。この状態が続くと心臓が固くなり、拡張機能が低下して「心不全」となります。
●心臓への血流が少なくなり、発作を起こす「狭心症」:動脈硬化によって心臓の冠動脈の内腔が狭くなり、血液の供給が低下すると、心筋虚血により「狭心症」発作が起こります。
●強烈な痛みがあり、突然死の原因にもなる「心筋梗塞」:冠動脈に血栓が出来ると、完全に内腔につまり、閉塞した血管の下流に血液が供給されなくなります。その部分が壊死するのが「心筋梗塞」です。
〈ICD分類〉
心不全(うっ血性)(CHF)を伴う高血圧性心疾患(高血圧性心不全)(HDD)⇒ I11.0
心不全(うっ血性)(CHF)を伴わない高血圧性心疾患(高血圧性心疾患) ⇒ I11.9
【腎臓に関する病気】
●動脈硬化が腎機能を低下させる「腎障害・腎硬化症」:高血圧による腎臓の動脈硬化が腎機能を低下させます。これを「腎障害・腎硬化」といいます。腎不全にまで疾患が進行すると、血圧はさらに上がります。
〈ICD分類〉
腎不全を伴う高血圧性腎疾患(高血圧性腎不全)⇒ I12.0
腎不全を伴わない高血圧性腎疾患(高血圧性腎疾患)⇒ I12.6
【腎臓および心臓に関する病気】
●高血圧が心臓および腎臓の両方に合併症をもたらした場合
〈ICD分類〉
心不全(うっ血性)を伴う高血圧性心腎疾患)⇒ I13.0
腎不全を伴う高血圧性心腎疾患 ⇒ I13.1
心不全(うっ血性)および腎不全の合併を伴う高血圧性心腎疾患 ⇒ I13.2
高血圧性心腎疾患NOS ⇒ I13.9
【脳に関する病気】
●脳の血管が詰まって起こる「脳梗塞」:高血圧を放っておくと動脈硬化が進み、脳梗塞や脳出血といった脳に関する合併症を引き起こすことがあります。脳梗塞は、脳の血管が動脈硬化を起こしている場所に、血栓(血の塊)が詰まることで発症します。
〈ICD分類〉
アテローム血栓性脳梗塞(頭蓋内の動脈などで起こった動脈硬化による血栓が原因)⇒ I63.3
心原性脳塞栓症(心臓で出来た血栓が脳へ流れ、血管を詰まらせることが原因)⇒ I63.4
ラクナ梗塞(脳の深部にある最小動脈の血栓が原因)⇒ I63.8
●血管が切れて起こる「脳出血」「クモ膜下出血」:高血圧が続くと、脳の細かい血管が動脈硬化を起こし、そしてこれが破裂して起こるのが「脳出血」です。
〈ICD分類〉
クモ膜下出血 ⇒ I60.0-9
脳内出血 ⇒ I61.0-9