心筋梗塞には心電図におけるST上昇による分類と、発症からの経過時間による分類があるニャ
【心筋梗塞とは?】
心臓は、血液を全身に送るポンプの働きをしています。その血液を供給するのが、心臓を取り囲むように広がっている冠動脈と呼ばれる血管です。この冠動脈で血管壁が硬くなる動脈硬化が進んだりして、血管の内腔が狭くなるのが「狭心症」、完全に詰まるのが「心筋梗塞」です。
【急性心筋梗塞とは?】
急性心筋梗塞とは、冠動脈血流の急激な現象により心筋の壊死をきたした病態をいいます。心電図でST上昇するST上昇型心筋梗塞とST上昇の見られない非ST上昇型心筋梗塞に分類され、この分類に従って治療方針を検討します。
虚血が心臓壁全体に至っているとST上昇型(貫壁性)、虚血が心内膜側だけにあると非ST上昇型になります。
【陳旧性心筋梗塞とは?】
陳旧性心筋梗塞とは、壊死した心筋組織が線維化し、症状が安定した状態を指します。しかし壊死しないで残った心筋への負担が大きくなるため心肥大を起こしやすく、慢性心不全になるリスクが高い病態です。
【心筋梗塞の分類】
急性心筋梗塞:発症から72時間以内のもの
亜急性心筋梗塞:発症から72時間~1か月以内のもの
陳旧性心筋梗塞:発症から30日以上が経過したもの
〈ICD分類〉
急性前壁(貫壁性)心筋梗塞 ⇒ I21.0
急性下壁(貫壁性)心筋梗塞 ⇒ I21.1
その他の部位の急性貫壁性心筋梗塞 ⇒ I21.2
部位不明の急性貫壁性心筋梗塞 ⇒ I21.3
急性心内膜下心筋梗塞、非貫壁性心筋梗塞、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)⇒ I21.4
急性心筋梗塞(AMI)、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)⇒ I21.9
再発性心筋梗塞 ⇒ I22.0-9
陳旧性心筋梗塞(OMI)⇒ I25.2