セットで覚えた方が便利が病名があります。つまり、この病名が出て来れば、この病名も疑うといった感じで、因果関係が強い病名ですね。
その代表格が食道静脈瘤と肝硬変です。ICD分類では、二重コードになっているので、それだけで間違いなく関係が深いことがわかりますが、この場合、食道静脈瘤の原因の大抵がもとを辿れば肝硬変に行き着くので、食道静脈瘤と出て来れば、まず肝硬変を疑うべきでしょう。
そもそも食道動脈瘤は、主に肝硬変が原因となって起こる門脈圧亢進症によって、本来食道動脈瘤へ流れるはずのない血液が食道静脈へと流れ込み、静脈が拡張することによって出来る瘤のことをいいます。
肝硬変になると、肝臓が小さく硬くなってしまって、その門脈から肝臓へ流れる血液がちゃんと流れなくなり、門脈自体の圧力が高くなってしまい、門脈圧亢進症を引き起こします。その結果、行き場を失った血液が食道の静脈に流れ込み、細い食道静脈がデコボコした瘤状になってしまいます。これが食道静脈瘤というわけですね。
実際、食道静脈瘤の9割は、門脈圧亢進症が原因で発症するといわれています。そうなってくると、その門脈圧亢進症と引き起こしてくる肝硬変が多くのケースの場合、食道静脈瘤を引き起こしているというは話になるわけで、両者は切っても切れない関係にあるわけですね。
ていうか、本来は、食道静脈瘤と肝硬変だけでなく、それに加えて門脈圧亢進症も加えて三つで一セットにするべきかと思うますが、さすがに三重コードとなると、ややこしくなりのでダメですね。