セットで覚える病名②「高尿酸血症と痛風」

「痛風」という病名を一度は聞いたことがある人は多いと思います。大抵は、足の親指の付け根に突然激痛が走り、それが1週間から10日間ほど続くという病気です。

この「痛風」とセットで覚えたい病名は「高尿酸血症」です。なぜ高尿酸血症が痛風と一緒に覚えるべきなのかといえば、それは痛風という病気がなぜ起きるのかを考えればわかります。

そもそも痛風の原因は「尿酸」です。尿酸とは、食べ物や体内組織に含まれるプリン体と呼ばれる成分が分解されたもので、通常は尿から排泄されるのですが、食べすぎや飲み過ぎなどによって血液中の尿酸濃度が高い状態が続くと、尿酸は血液中に溶けきれなくなってしまって、結晶化して関節に沈着してしまうんですよね。そしてこれが炎症を繰り返すことになります。

血液中の尿酸が7mg/dLを超えると「高尿酸血症」となります。つまり、尿酸が血液中に溶けきれなくなった時とは、当たり前ですが高尿酸血症の状態のときであって、人の体に痛風の症状が出て来る時は、その人は高尿酸血症であることは間違いないというわけなんです。

そう考えると、「痛風」の病名がついているときは、もれなく「高尿酸血症」もつくという理屈になります。高尿酸血症の文字がサマリにも電子カルテの記載にもない場合は、検査結果を確認すればいいと思います。血液中の尿酸が7mg/dL以上であれば、その人は高尿酸血症ですからね。

また「高尿酸血症」の病名がついている人は、その人が痛風であるかどうかを頭に入れるといいと思います。だいたい高尿酸血症の状態が5~10年続くと、痛風の症状が出てくるので、今はその症状が出ていなくても、いずれ痛風になる可能性が高いので、経過観察をしていてそんではないでしょう。

ちなみに痛風の患者は日本全体で約60万人。女性ホルモンが尿酸を体外に排泄しやすくさせているため、患者のほとんどは、30~50代の男性だそうです。