尿路結石

 
やまねこ
尿路結石とは、結石が存在する位置によって、腎結石、尿管結石、膀胱結石などと呼ばれるニャ

【尿路結石とは?】

尿路結石とは、腎臓で作られた尿が通る道である、腎盂腎杯、尿管、膀胱、尿道などに石が出来ることです。結石の多くは腎盂腎杯、膀胱で形成されますが、結石が存在する位置によって、腎結石、尿管結石、膀胱結石などと呼ばれています。結石が尿路を塞ぐと激しい痛みがあり、細菌感染が起きると高熱も出ますまた長期間放置すると腎臓に負担がかかり、腎機能が低下することもあります。高齢の男性や閉経後の女性に多い疾患です。

【原因】

食生活(高カロリー・高脂肪)や水分・運動不足など生活習慣に起因するもののほかに、内分泌疾患、代謝性異常など複数の要因が関わっていることが多いと言われています。また骨の血液のカルシウム濃度が異常に上昇して結石が出来やすくなる「原発性副甲状腺機能亢進症」も原因の一つと考えられています。日本人の場合は、シュウ酸カルシウム結石症と呼ばれるものが圧倒的に多く、シュウ酸の摂り過ぎ(ほうれん草、コーヒー、紅茶、コーラなど)が結石の主な原因と言われています。

【結石の分類】

《存在部位による結石》

結石のある部位によって腎(臓)結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と分類されます。腎臓結石、尿管結石は上部尿路結石、膀胱、尿道の結石は下部尿路結石として扱われます。尿路結石の95%は上部尿路結石です。また結石が出来る部位によって症状が異なります。

腎臓結石鈍い痛み(無症状の場合もあります)

尿管結石石が存在する側の脇腹、背中、おなかに激しい痛みが生じたり、血尿や吐気が起こることがあります。一般的に石が小さいほど痛みが強くなります。

膀胱結石頻尿、残尿感

尿道結石排尿時に強い痛みが生じたり、血尿や尿が出にくくなる。

《結石の種類による分類》

結石を構成する成分によって数種類の結石に分類されます。シュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石、尿酸結石、及びこれらが混在する結石がよく見られます。また尿路感染によって形成されるリン酸マグネシウムアンモニウム結石や遺伝性に発生するシルチン結石も認められることがあります。

《特殊な名称の結石》

特殊な呼称として、腎結石が腎臓内に増大し鋳型状となった結石をサンゴ状結石、尿管内の同一部位に長期に位置し尿管との癒着が強い結石を嵌頓(かんとん)結石といいます。

【治療】

《保存的治療》

4~5㎜以下の小さな結石の場合は、十分な水分摂取と適度な運動による自然排石が期待出来ます。尿路結石やシスチン結石では、尿アルカリ化剤と水分摂取により、結石を溶かす薬物治療を行うことがあります。

《手術治療》

体外衝撃派腎・尿管結石砕石術:上部・中部尿管の結石、下部尿管の10㎜未満の結石が適応となります。体外から衝撃派を結石に当て、結石を砂状に破砕する治療法です。

経尿道的尿路結石除去術:下部尿管の10㎜以上の結石が適応となります。尿道から内視鏡を入れ、尿管の結石を確認しながらレーザーで破石する治療法です。

〈ICD分類〉

腎結石 ⇒ N20.0

サンゴ状結石 ⇒ N20.0

尿管結石 ⇒ N20.1

尿管結石を伴う腎結石 ⇒ N20.2

上部尿路結石NOS ⇒ N20.9

結石性腎盂腎炎 ⇒ N20.9

膀胱結石 ⇒ N21.0

尿道結石 ⇒ N21.1

その他の下部尿路結石 ⇒ N21.8

下部尿路結石NOS ⇒ N21.9

〈ICD9-CM〉

尿管及び腎盂内塞栓物の経尿道的除去術 ⇒ 56.0

尿管切開術 ⇒ 56.2

経尿道的膀胱内容の除去術 ⇒ 57.0

膀胱切開術 ⇒ 57.19

尿道切開術 ⇒ 58.0

切開を伴わない尿道結石の摘出術 ⇒ 58.6