ネフローゼ症候群

 
やまねこ
ニャンとネフローゼ症候群は病名ではないニャンか! 色々な種類があるニャ

【ネフローゼ症候群とは?】

ネフローゼ症候群は正確には病名ではありません。

尿蛋白が1日3.5g以上を呈し、血液の中で最も多いアルブミンという蛋白質が減少し、3.0g/dl以下(正常は4.0g/dl以上)に低下した場合をネフローゼ症候群と呼んでいます。尿の泡立ちやむくみ(浮腫)を主な症状としています。

【ネフローゼ症候群の原因】

ネフローゼ症候群は、明らかな原因疾患がない一次性ネフローゼ症候群と、原因疾患がある二次性ネフローゼ症候群に大別されます。

一次性ネフローゼ症候群は主に以下の4つの病気により起こります。

・微小変化性ネフローゼ症候群

・巣状分節性糸球体硬化症

・膜性腎症

・膜性増殖性糸球体腎症

【一次性ネフローゼ症候群】

微小変化型ネフローゼ症候群糸球体の毛細血管に機能障害が起こり、蛋白質が尿中に漏れ出る症候群です。糸球体の形状には大きな変化は見られません。発症は急性で、数日のうちにむくみが進行します。ステロイドが効くことが多いですが、減量・中止すると再発しやすいです。

巣状分節性糸球体硬化症一部の糸球体で、部分的な毛細血管の硬化が見られ、そこから蛋白質が漏れ出る病気です。発症は急性で、しばしば微小変化型ネフローゼ症候群との見極めが困難となります。ステロイドが効かないことも多く、透析が必要な末期腎不全に至ることもあります。

膜性腎症糸球体の基底膜に炎症が起こり、蛋白質が尿中へと漏れ出る病気です。中高年によく起こります。蛋白尿が軽症の場合には予後がよいとされており、症状を抑える対処療法が中心となります。しかし、蛋白尿が多く治療に反応しないステロイド抵抗性の場合、末期腎不全に至ることもあります。

膜性増殖性糸球体腎炎糸球体の基底膜だけでなく、血管と血管を繋いでいるメサンギウムにも炎症が起こる病気です。原因は一つだけではなく、様々な病気が含まれるとも考えられています。ステロイドが効きにくいことが多く、10年の経過で約50%が末期腎不全に至ります。

【二次性ネフローゼ症候群】

二次性ネフローゼ症候群は、糖尿病、膠原病(全身性エリテマトーテスや関節リウマチ)、慢性肝炎、悪性腫瘍などが原因となって起こります。また抗リウマチ薬や非ステロイド性消炎鎮痛剤などの薬剤が原因となることもあります。

〈ICD分類〉

ネフローゼ症候群 ⇒ N04.0-9

微小変化型ネフローゼ症候群 ⇒ N04.0

巣状分節性糸球体硬化症 ⇒ N00-7.1

膜性腎症 ⇒ N00-7.2

メサンギウム増殖性糸球体腎炎 ⇒ N00-7.3

膜性増殖性糸球体腎炎1型及び3型またはNOS ⇒ N00-7.3

デンスデポジット病(膜性増殖性糸球体腎炎2型) ⇒ N00-7.6