喘息

 
やまねこ
喘息性気管支炎は、喘息ではないので注意だニャ

【原因による分類】

喘息は、原因によって大きく二つの種類に分類することが出来ます。一つはアレルギーの関与が考えられる「アトピー型喘息」で、もう一つはアレルギーが関与しない「非アトピー型喘息」です。

《アレルギー性喘息》

基本的にアレルギーの元となる物質(アレルゲン)によるアレルギー反応によって引き起こされる、気道粘膜の慢性的なアレルギー性炎症です。埃、ダニ、ガビ、花粉などに、アレルゲン(抗原)が体内に侵入すると作られるIgE抗体が反応することで起こります。小児喘息の90%はこのアトピー型喘息にあたります。

《非アレルギー性喘息》

アレルゲンが特定出来ないため、IgE抗体が検出されず、即時型アレルギーではないメカニズムの炎症によって発症すると思われる喘息です。成人喘息の25%がこれにあたり、薬剤性喘息である、アスピリン喘息(アスピリンを代表する多くの鎮痛剤によって発作が誘発される喘息)もこれに当てはまります。

【発症期による分類】

喘息は発症期によって大きく二つに分けられます。一つはおおむね15歳までに発症する「小児喘息」です。もう一つが成人してから症状が現れる「成人喘息」です。さらに成人喘息は以下の二つのタイプに分けることが出来ます。

ⅰ)小児喘息があって一旦軽快し、成人になってから再発したタイプ。あるいは小児喘息から引き続いて成人後も喘息があるタイプ。

ⅱ)成人になってから初めて喘息を発症したタイプ。

《原因》

小児発症の喘息のほとんどは、ダニや花粉などのアレルゲンがキッカケとなって気道に炎症が起こるアレルギー性です。

一方で成人発症の喘息は、アレルゲンが特定できない非アレルギー性のものが多く見られます。ほかの何らかの遺伝的素因が関係していると推測されます。

【重症度による分類】

間欠型症状が見られるのは週に二日以下です。日常生活を妨げることはありません。

軽症持続型症状は週に二回以上みられるが、日常生活の制限はわずかです。

重症持続型症状が毎日みられ、日常生活も著しく制限されます。

喘息発作重責状態治療に反応しない重度の状態です。長時間にわたり激しい気道狭窄が起きるので、肺から十分な酸素を体中に供給したり、二酸化炭素を充分に排出したりすることが出来なくなります。

【気管支喘息と喘息性(様)気管支炎の違い】

喘息性(様)気管支炎とは、「喘息の音のように聞こえる気管支炎」のことで、厳密にはアレルギー性疾患ではありません。症状は喘息とよく似ていますが原因が異なります。特に2歳くらいまでの子どもはまだ気管支が発達しきっておらず弱いために、発症することが多いです。

【そのほかの喘息】

《咳喘息》

正式な喘息ではなく、喘息の前段階の症状と考えられています。アレルギー素因のある人に多く、再発を繰り返す傾向にあります。

《運動性誘発喘息》

運動をして起こる喘息発作のことです。通常、運動を始めて数分で起き、運動を止めると30分ほどで回復します。

〈ICD分類〉

アトピー型喘息 ⇒ J45.0

小児喘息 ⇒ J45.0

非アトピー性喘息 ⇒ J45.1

アスピリン喘息 ⇒ J45.1

混合型喘息 ⇒ J45.8

咳喘息 ⇒ J45.9

気管支喘息 ⇒ J45.9

喘息性気管支炎 ⇒ J45.9