【尿道狭窄症とは?】
様々な原因で尿道が狭くなったり閉塞したりして、排尿障害が起こる病気です。尿道は女性よりも男性の方が長いので、一般に男性の方がなりやすいです。男性の場合、「陰茎部」「球部(股間)」「膜様部(前立腺との繋ぎ目で尿道をしめる括約筋がある部位)」に分けられ、それぞれの部位で多様な原因によって尿道狭窄症が発生します。
【尿道狭窄症の分類】
尿道狭窄症は、生まれながらに尿道が狭窄している先天性のものと、感染・外傷などによる後天性のものの大きく二つに分けられます。後天性の場合は、さらに交通事故などによる外傷性と、感染・医原性(治療のための行った医療行為によって引き起こされたもの)などに分類されます。
【主な原因】
《外傷》
騎乗型外傷:股ぐらを強打して、球部尿道が恥骨と挟まれて潰れることで狭窄します。
骨盤骨折:膜様部尿道が前立腺から切り離されることで断絶します。完全に閉塞した場合には、膀胱瘻を作り、三カ月ほど待機してから尿道形成術を行います。
《先天性》
先天性の陰茎疾患である尿道下裂を矯正するために、小児期に皮膚などで尿道を作った後、成人になってから陰茎部が狭くなることがあります。
《感染性》
硬化性苔癬という皮膚疾患が尿道に進展して長い狭窄となることがあります。また淋病や結核などが原因で尿道が炎症を起こして狭窄することもあります。
《医原性》
尿道カテーテルや経尿道手術などで尿道粘膜が傷つき、尿道壁の一部が瘢痕化して狭くなることがあります。
【治療】
尿道狭窄症は、狭窄部位や長さ、程度などによって治療法を選択します。代表的なものは、ブジーやバルーンによる尿道拡張術です。またメスやレーザーによる尿道切開術、尿道ステント留置術などが選択されることもあります。さらに手術によって尿道の吻合術や再建術なども治療の選択肢となっております。
〈ICD分類〉
外傷後尿道狭窄 ⇒ N35.0
感染後尿道狭窄 ⇒ N35.1
その他の尿道狭窄 ⇒ N35.8
尿道狭窄NOS ⇒ N35.9
処置後尿道狭窄 ⇒ N99.1
先天性尿道狭窄 ⇒ Q64.3
〈ICD9-CM〉
尿道狭窄の切開術 ⇒ 58.5
尿道の拡張術 ⇒ 58.6
尿道の吻合術 ⇒ 58.44
尿道再建術 ⇒ 58.46