【包茎とは?】
包茎とは、陰茎の先端の「包皮口」が狭いことによって陰茎を包む包皮が充分に剥けず、亀頭を露出することが出来ない病気のことをいいます。先天的なものと後天的なものがあり、多くは生まれつきによる先天的なものですが、亀頭包皮炎などを繰り返して包皮に癒着が生じることによって発症する後天的なものもあります。
包茎は「真性包茎」「仮性包茎」「嵌頓(かんとん)包茎」の三つに分けられます。
【包茎の種類】
《仮性包茎》
勃起時にも亀頭が完全に包皮口から露出せず、露出させるために包皮を手で剥く必要がある状態の包茎を指します。日本人に一番多い包茎のタイプです。勃起時にはほとんど亀頭が自然に露出するものから、勃起時でもほとんど皮を被った状態のものまであります。
医学的な病気とは考えられておらず、目立った症状はありません。しかし不衛生になりやすく、また亀頭包皮炎などを繰り返してしまうこともあります。
《真性包茎》
包皮口が極端に狭く、手で包皮を剥いても亀頭を露出することが出来ない状態の包茎を指します。不衛生な状態が慢性化することで亀頭包皮炎や尿路感染症、性感染症のリスクが高まり、性交渉にも支障をきたす場合が多くあります。さらに癒着が起こって悪化する可能性や、また陰茎に慢性的な刺激が加わることで陰茎がんの発症リスクも高くなると言われています。
《嵌頓包茎》
勃起して包皮口から露出した亀頭が元の状態に戻らず、狭い包皮口が締め付けられて陰茎がうっ血する状態の包茎を指します。主に勃起時に無理矢理包皮を剥いて亀頭を露出させることが原因で、強い痛みを引き起こします。そのまま放置しておくと、皮が戻らなくなり、水ぶくれのように腫れてしまうケースや陰茎への血流不足のために壊死などを引き起こす可能性があります。早急な治療が勧められます。
【治療】
仮性包茎は医学的な治療は不要とされています。一方で真性包茎は痛みなどの症状がある場合は、余分な包皮を切除して亀頭を露出させる手術が行われることがあります。また嵌頓包茎は、出来るだけ早急に包皮口による陰茎の締め付けを解除する治療が必要となります。
〈ICD分類〉
過長包皮、包茎および嵌頓包茎 ⇒ N47
亀頭包皮炎 ⇒ N48.1
〈ICD9-CM〉
環状切除術 ⇒ 64.0